川島むーのお茶祭り日記

お茶祭り企画代表、川島むーの心に映り行くよしなし事を、あれこれと

リーディング・ゴーシュ

 引っ越してきて以来、まったく劇場に足を運んでいなかった。そろそろと、むずむずしてきた。お誘いもある。

 ということで、初観劇は友人のところの生徒さんの卒業公演か?と思っていたら、あ、黒テントの公演があるんだった。じゃ、これが初観劇か?と思っていたら、横浜の相鉄でリーディング公演がある。しかも、宮沢賢治だ。しかも、『セロ弾きのゴーシュ』がある。
 
 で、ま、本日、初観劇となった次第。(劇場に足を運ぶ、と言う意味での観劇ね。)

*以下、ネタばれあり。土日で観劇予定の方は、ご注意下され。*

 面白かったよ。リーディングと言うよりは、シャウティング。賢治の世界をロックと言うフィルターにかけるとこうなるのね。突っ込みも入れつつシャウトしまくる。ロックと言う雰囲気ではない会場と役者がやっているのが、おかしい。
 アフタートークでもあったけれど、宮沢賢治を美化したくない、と言うのは最近の流れになってきてるのかな。私もそうだけれど、学校で教えられた宮沢賢治像に(う、宮沢賢治雑煮と変換された…旨いのか?)、いささか疑問を覚える。何か、違うんとちゃうの?と言う思いで『ヨル♪宮沢賢治』を作っている。うむむ、流行なのか?
 
 しかし、始まってしばらくは逃げ出そうかと思ったのだよ、正直に言うと。明らかに、身内・お仲間・お知り合いと言う感じのお客さんが、初手から馬鹿受け。
 ・・・え〜っと、そんなに面白いところですか?どっちかと言うと、ちょっと恥ずかしいノリにドン引きして、引き笑い。敢えて失笑を誘うオープニングだと感じたんだけどなぁ。あははははと笑われると、出ている役者さんのことをな〜んにも知らない私は、どんどん冷めていく。お陰で、その世界に入り込んでいくのに時間がかかっちまった。
 これって、要注意だよなぁ。これが、お芝居初めてと言う人だと、置いてきぼり。やっぱり小劇場って身内ノリなのね、お友達が居ないと来れないわね、となってしまう危険性があると思うのだけど。

 ま、それはそれとして、実は、舞台監督さんの名前を見て、あっと思う。懐かしや。むか〜しむかしの東京修行時代にお会いした方ではないですか。さすがに、私のことなんぞ覚えてらっしゃらないだろうな、と弱気の虫が働いて、黙って帰る。でも、なんとなく、うれしい気分。うふふ。