川島むーのお茶祭り日記

お茶祭り企画代表、川島むーの心に映り行くよしなし事を、あれこれと

私の根っこ

 数日、留守にしておりました。

 こういう場に書くことでは無いのかもしれないが、相方の母が入院。
 いつか来るであろうと予想していた既に持っている病気ではなく、別の症状で。最初、事態がわからず混乱した我が家。こういう時、この距離がもどかしい。一応の危機は脱したが、まだ予断は許さない状態。
 
 木曜、一人で福井へ。付き合っていたときから、福井へ行くのは彼の車だった。初めての鉄道での福井行きがこんな形でやってくるとは。
 焦る気持ちの一方で、駅弁はしっかり選んでいる自分はどうなんだと思いつつ、しらさぎに乗って福井に到着。
 傍にいて、何が出来るわけでも無い。それでも、居る事が大事と信じて。父上は、毎日病院通い。ほんの数日、私がいる間だけでもゆっくりして貰えたらと思うのだが、それでもやっぱり、きっちり来られる父上。出来上がった毎日のペースは乱さないほうが良いって事かな。
 帰省して、一緒にご飯を食べてお酒を飲んでお喋りをして、そんな時間があったのが、つい半月前なのだと言う事実が切ない。
 夢現の母上は、相手を私と認識して喋るかと思えば誰かと間違えているのかなぁ。そんな繰り返し。それでも、握った手には少し力が戻ってきているのが、そんなささやかな事が、嬉しい。
 覚悟は、している。でも、こんな形では、嫌だと思う。もう一度、一緒にお話がしたい、一緒に笑いたい。

 祈る思いで、滞在しているビジネスホテルと病院との往復・・・では無いのだな。面会時間は昼から。空いてしまう午前中。歩いた事のなかった福井の街を歩く。福井城址、北の庄城址・・・何をやっているんだろうと思いつつ、しっかり観光。傍にいられない時間まで落ち込んでいても仕方が無い。病院に行くからこそ、こっちの気持ちが元気でないと。・・・と言うのは言い訳だろうか?

 土曜日には、相方が車で到着。最終日だけツインに振り替えてもらう。私が記入している住所は横浜だわ、後から来た男の車のナンバーは京都だわ、服装は観光っぽいが、出入りしている時間が微妙だわ。ホテルの人にはどう言う二人に見えたんだろうね。まぁ、いいけど。

 日曜の午前中は、病院に行く前に、相方と郷土博物館へ。福井の歴史。彼が育ったのは大野市なので、実は、彼も福井市のことは詳しくなかったりするのだな。気合の入った博物館。見せ方が上手いな、などと思いつつ、福井の歴史をたどる。福井の大空襲、そして福井地震。あぁ、そうだ。帰って来なかった一人の青年。その事がなければ、おそらく違う人生を歩んでいたであろう父上。つまりは、母上の人生も、相方の人生も違っていたかもしれない。私との出会いもなかったかもしれない。そう思えば、この福井の歴史も、私のとっては大切なルーツ。

 相方の家族は、私にとっても、大切な家族なのだと思う。大事な事を見つめ直した数日。どうか、次に福井に行く時には、もう少し、良くなっていらっしゃいますように。どうか。