川島むーのお茶祭り日記

お茶祭り企画代表、川島むーの心に映り行くよしなし事を、あれこれと

誰そ彼

 土曜日は法要。午前中には親戚の方々が到着。
 あらまぁ、お昼をどうしましょう。慌てて、台所にあるものを確認して用意。相方の従妹さんも手伝ってくれる。って言うか、かなりお任せしてしまった。なかなか、新鮮な体験。後片付けは叔母様方も加わって、賑やかな台所。

 午後、法要をお願いしているお寺へ。が、え?連絡を受けてない?いやいやそんなはずは、と兄上が話していると、
 ブゥンッ!
 かなりな勢いで車が入ってきて若い方のお坊様。「はい!うかがっております!」午前中に別の所で法要があったらしいのだが、この日はあちこちがお祭り。福井市内では時代行列。柴田勝家お市の方、武者隊などの行列。そのための渋滞に引っかかったらしく、「うわぁ、間に合わない!」相当に大慌てで滑り込んだらしい。

 ・・・だからって、そんなに慌てなくても・・・

 お寺の本堂は、かなり古い。あちこちガタピシ。一同が座って待っているので焦っているのか、バタバタと準備をされてる。
 ガッコンッ!
 部屋から出ようとされた瞬間、引き戸が、外れましたよ。外れた扉をつかんでアタフタする袈裟が扉の向こうにチラチラ見える。

 クッ!
 ククククククッ!
 ふははははは。

 もう、女性陣は完全にツボにはまってしまいました。

 四十九日の法要に、なんで、こんなに笑ってるんだろうねぇ。お天気は、びっくりするくらいに良くって、春が遅い土地とは思えない陽気。そう言えば、お葬式の日も、いいお天気だったなぁ。誰の行いが良いんでしょう?って、そりゃあ、お母さん自身だよね。

 法要が終わり、休憩。家に戻り、夕刻。会食へ。この辺りは、お魚屋さんの2階で会食が出来る所が多いそうで、昭和の香りがする魚屋さんの2階でお食事。和やかなひと時。・・・うむむ、私でお腹いっぱい!って言うぐらいだから、かなりの量だなこれは。美味しくいただきました。

 帰り道、黄昏時。ゆったりゆったり歩く人々。♪春の宵〜桜〜が♪と口ずさみたくなる。前を歩く人影が、相方なのかお父さんなのか叔父さんなのか。考えてみたら、ここにいる人たちのほとんどが、お母さんと同じ血をもつ人達なのだなぁと思う。ゆるりゆるり。人影が空気に溶けて行く。誰そ彼の黄昏時。誰が誰であっても良くて、もしかして、そこに母もいるのか、と見渡しても、その姿は無いけれど、誰の心にも母が居て、誰とも血が繋がっていなくても、確かに繋がっている物があって・・・とりとめもなく考えながら、短い家路。家に着いても、なんとなく中には入らず、表で喋り続ける人々。ゆっくりゆっくり、春の時が過ぎて行く。