川島むーのお茶祭り日記

お茶祭り企画代表、川島むーの心に映り行くよしなし事を、あれこれと

読了『妖怪文化入門』(小松和彦 角川ソフィア文庫)

 小松先生、好きです。大学で、考古学ではなく小松先生の所に行ってたら、と考える事があるが……実際、かなり悩んだし……でも、あの頃の私やったら、あかんかったやろな。この分野に本気で目が行くようになったのは、大学卒業して、自分の芝居作りを考えるようになってから。今だから、楽しめる。研究する、と言うのとは、違うよね。
 なぜ、この分野と芝居が繋がるのかと言う話は……見えないものを見るとか、見えないものの気配とか、受け入れられないもの、はみ出してしまった存在とか……まぁ、ここではよいか。

 と言うことで、『妖怪文化入門』である。
 2006年に出版されたものをもとに作られた、文庫版。妖怪文化研究への案内書となっている。憑きもの、妖怪、河童、鬼、天狗と山姥、幽霊、異人・生贄、境界と言う分野に分けて、それぞれの研究の足跡をまとめている。
 これは、ありがたい。自分が求めるジャンルで何を読めば良いのかが判る。
 最近、小説ばっかりだったから、久しぶりに、付箋貼りまくりで読みました。
 妖怪的なものの生まれる場、社会。ファンタジーではなく、まさに、人が生み出し、人の暮らしと共にある妖怪。
 しかし、そうかぁ、民俗学と言えば柳田國男だが、その大きさ故に、そこで研究が止まってしまってる事もあるのだね。