行って良かった、観れて良かった。ありがとうボストン美術館。よくぞこれを……。
北斎の肉筆画が好きなのです。小布施の北斎館まで行ってしまうくらい好きなのです。
最終コーナーに数点の肉筆画。ため息が出る。寿の字の上で遊ぶ唐子、朱で描かれた鍾馗様、そして、柳に烏。この烏にひきつけられて、なんだか泣きそうになってましたよ、私は。
「いいね、いいね、いいよね」と興奮状態。
そこに、とどめ。
一番最後に飾られているのは北斎ではなく、娘のお栄さんすなわち応為の「三曲合奏図」 。
一瞬、言葉を失いました。なんだろう、この艶やかさ。前に太田美術館に観に行った「吉原格子先之図」 の光と陰の表現が素敵だったけど、これもまた魅力的。着物の模様が生々しく美しい。ほんと、ありがとうボストン美術館。 当然だけど、写真で観ていたものとは全然違う。肉筆画の、筆遣いが息遣いが迫ってくる。
相方も興奮していて、そして太田美術館のを見逃した事をいたく後悔しておりました。ま、まあ、あれはきっとまた、機会があるよ。少なくとも国内にあるのだし。
なんかね、応為は父親に輪をかけた画狂人だったのでは無いかと思ってしまった。だから、ふらりと消えてしまったのではないかと。
「おういちゃんへ お年玉 ほくさい」
ミュージアムショップで思わず笑ったもの。ポチ袋が売られていたのだが、そこの壁にポチ袋が一枚貼られていて、こう書かれていたのでした。
スタッフさんの遊び心に、拍手〜。