普通ってなんだろうと言う普遍的命題。
親がしばしば子供に向かって言う。
「普通にして」
そこには、なんの具体性もない。言われた側には、ただただ、自分を否定される言葉。
大人になったって、きついよな。
普通にしてと無理な要求、心は不通。
燐光群『カムアウト』。
舞台はレズビアンの女性たちが暮らす家。
27年前の作品の再演。だから、舞台は1989年(昭和64年のカレンダーと言う小道具が効いてます)。
最近も、どこぞの議員さんの発言が問題になったが、それが問題だと取り沙汰されるくらいには世の中は動いている。
27年前、カミングアウトすることは、どれほど厳しいことだったろう。
せっかく生まれたコミュニティは、外からの力と内からの人間関係で崩れてしまうが、それでも、主人公が顔を上げたその先には、きっと虹がある。
舞い落ちる色とりどりの紙ふぶきは、LGBTの象徴の虹色。
誰も居なくなった舞台を見て、はっとする。終始柔らかく暖かく皆を見守っていたカシマさんの居たところだけ、虹色なんだ。
アフタートークには西田シャトナーさん登場。
「ゲイにもてそうですよね」
とよく言われるが、そこに嘲笑が混じっている感じがするのは、どんなもんなんだろう、とシャトナーさん。
学童でどうしたらいいかな、と思うのは、子供たちの言葉。
「おかまじゃないんだから」「おかまみたいなしゃべり方してみて」
う〜ん、セクシャルマイノリティと言うことについてって、子供の発達段階のどの辺りで説明するのがいいものなんだろう。
ちなみに、コマ回しにおいて、上下を逆に回すことをおかま回しと呼んでいます。