川島むーのお茶祭り日記

お茶祭り企画代表、川島むーの心に映り行くよしなし事を、あれこれと

建礼門院

 今日は我が家の車がバトンタッチの日。ディーラーさんは京都なので、そこまで19年お世話になったRVRで出掛け名残を惜しみ、新車にようこそと言い、そのまま河原町へ出て、長楽寺へ。
 関東在住時に平家物語の語りでお世話になった千賀ゆう子さんのひとり語り「建礼門院」を観に。


 長楽寺は、西海に滅んだ平家の生き残り、清盛の娘であり安徳帝の母、建礼門院徳子が、落飾したお寺。
 目の前で母、息子を、一族を失った彼女の絶望はどれほどのものだったろう。
 遠く、念仏をとなえる声。開け放たれた客殿の向こう、庭の一角に現れる一人の比丘尼が平家の人々を懐かしみ、やがて建礼門院の六道語りへ。
 緑溢れる庭、ウグイス、カエル、鹿威し。自然の音が絶妙なタイミングで入ってくる。まるで、今西玲子さんの筝と合奏するように。
 そして。松に群がる鷺を源氏の白旗かと思い……と言う語りの直後にバサリと庭に舞い降りる一羽の鷺。息を呑みました。どこかで聴いてたのかしら。
なんとも贅沢なひとときでした。