そうそう、アートひかりさんの公演を観に行ったのでした。
別役の『死体のある風景』と、清水邦夫の『楽屋』二本立て。
別役作品って、若い頃は苦手だったのだけど、面白いと思うようになった私の中のなにが変わったんでしょうね。
あの、じわじわ~っと来る感じ。やってみたいな、と思っている自分がいる。
アートひかりさんの『楽屋』は、実は3年前のフェスティバルで観ているのだけど、あれは全団体が共通のセットでそれぞれの『楽屋』をやると言う制約があったから、今回の方が好きにやってる感。あの年は、自分自身も楽園王で『楽屋』をやることになってたから、観るスタンスも違う。今回は、好きな戯曲を楽しむと言うスタンスでいることが出来ました。
にしても、よく喋る芝居だな。
演劇を題材にした芝居は、その構造の中で、人のありようを突き付けてくる。生き続ける苦しさと可笑しさ。そういう意味で、あのセットは秀逸。転換をなぜあんなに隠すのかと思ったら。開演してしばらくはわからない。明かりが入ってクリアになった瞬間に、やられた!と思ったのですよ。
で、改めて、『楽屋』は面白いと思う。二人芝居ではなく、でも、大人数ではない程よいコンパクトさ。女優のための芝居。
以前、「なんで女優は『楽屋』ばっかりやりたがるんや」と言った人がいたけれど、それって、女優がメインで思いっきりやれる芝居が少ないってことじゃないんですか?と思うのですよ。