川島むーのお茶祭り日記

お茶祭り企画代表、川島むーの心に映り行くよしなし事を、あれこれと

詩と芝居と

7日間ブックカバーチャレンジ・5日目

【7日間ブックカバーチャレンジ】

5日目。

新川和江詩集』
(思潮社・現代詩文庫)

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 初めて自分の意思で買った詩集。
 中学の時に受けた模擬試験(旺文社だったかな)の問題の中に「記事にならない事件」と言う詩があって、衝撃を受けたのです。なんだこれは?
 詩・短歌・俳句を書いていた十代。でも、知識は教科書と、後ろに写ってる小学生向けの事典のみ。この事典は、古今の作家の作品一編と解説で、ざっとした知識を得るには良かったし、今も大切な本ではあるのだが。
 とにかく、ここで、「新川和江」と言う詩人を知り、とにかくこの人の詩を読みたい!と試験中であることも忘れて興奮していたのでした。

 ちなみに、文章を書くきっかけは小学校一年生の時の絵日記。ある日、担任のN先生が黒板になにやら書いていた。どっかで見たことのある文章やなぁ……って、私の書いた絵日記やん!家での落とし穴づくりのひとコマを書いたもの。なんだか嬉しくて先生の周りをピョコピョコ飛び跳ねていたことを覚えている。
 多分、あれで書くことの楽しさを覚えたんだな。その後、2年生になる時に、先生はご結婚で九州へ。でも、ずっとN先生とは手紙のやり取りを続けていた。3年4年生辺りから詩・俳句・短歌を書き始め、「こんなの書けた」と送ったりもしていた。
 小学生新聞に詩が載ったことを誰よりも喜んで下さったのは、親でも担任でもなく、N先生だったのだと思う。
 こうやって考えると、芝居も詩も、原点は小学校低学年にあるんだよな、と思う。変わってないと言うかしつこいと言うか。
 N先生との手紙でのお付き合いは、今も続いている。公演のご案内と年賀状ぐらいではあるけれど、20代の九州一人旅の際はご自宅に泊めていただいたり、お茶祭りの大阪での公演を観に来ていただいたりもした。
 と言う自分の経験があるから、小学生時代に子供たちが出会うものを大事に会いたいと思うんだよなぁ。

 で、新川和江さんの詩は好きすぎて、それこそ「声に出して読みたい詩」で、実際そうしていた。まぁ家族からは「変な子」と思われていたんだろうな。
 中学3年生の時、産経新聞で「朝の詩」と言う詩の投稿欄が始まり、選者は新川和江さんであると知って、テンションが上がったのを覚えている。そりゃあ、もう、せっせと毎月送っていた訳ですが、見事に惨敗。高校生になってもずっと送っていたけれど、一度も採用されず。
 更に大学生になり、周りに文章を書ける人がたくさんいて、それが面白くて、「あ~、私の書くものって、なんて型にはまっていて面白くない」「欲しいしは新川さんが書いてくれてる。それを読めれば幸せ」ってなわけで、書く人になるより、書かれたものを演じることに専念したのでありました。
 そんな私が今、芝居で培ったことをベースに、書いて詠む世界にも身を置いているってのが、人生なにがどうなるやらってやつですな。

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