川島むーのお茶祭り日記

お茶祭り企画代表、川島むーの心に映り行くよしなし事を、あれこれと

月の話

 水曜日はオンラインでの朗読教室「声を出して読んでみる会」でした。今月は命日ってことで、宮沢賢治作品を取り上げることに。『祭の晩』。
「”十八日の月”の読みは”じゅうはちにちのつき”ですか?“いまちのつき”とかではなくていいのですか?」と質問がありました。
 他の作品でも「二十日過ぎの月の光」とか「五日の月」と言う表現があるので「じゅうはちにちのつきでいいですよ」と答えたのですが、改めて、なるほどなぁ、これが賢治の表現だわ、と思いました。理系らしい月の表現だな、と。
 で、演じる身としては、毎度、それはどんな月だ?と確認。賢治がイメージしている月の形、月明かりがどれくらいなのか。出来るだけ具体的に自分の中にイメージする作業は、なかなか楽しくもあります。
 あ、『シグナルとシグナレス』ではこんな表現が出てきます。沈む直前の月の光が広がっている中でのシグナルとシグナレスの会話を終わらせるように
「その時です、お月さまがカブンと山へおはいりになって、あたりがポカッと、うすぐらくなったのは。」
 これ、すんごく好き。