川島むーのお茶祭り日記

お茶祭り企画代表、川島むーの心に映り行くよしなし事を、あれこれと

輪郭

下北澤姉妹社『リンカク−押し合う輪郭−』@スズナ
ネタバレる可能性あるので、以下、気を付けて……


入った瞬間、スズナリのこの使い方、好き〜。真ん中どど〜んと使って、正面階段席の一部も使って。下も両サイドに客席の三方客席。そりゃあサイド席へ行きますよ。
この舞台の取り方は、トリのマーク『マチルドハイタワー』の時を思い出すのです。
え?スズナリで、それ、やる?みたいな演出もあり。しっとり進む話かと思ったら、かなり動的。舞台美術、演出はかなり好み。
ストーリーは、介護、ヤングケアラー、貧困、こども食堂パワハラ、配信、デジタルタトゥー、現代のあちこちで起きている問題が、問題としてというより情景として描かれる。観ながら自分の中で、それはどうよ、とか、そうよね、とか。勝手に突っ込んだり問いかけたりしてる感覚。
あのお父さんには、そりゃあ、突っ込みたいことだらけ。そもそもの元凶あんたやろ〜。にこにこしたり泣いたり踊ったり、ふんわりしてるからお世話も出来るよね、とは思う。あれが、妄想で怒るキレる暴れる状態だと、ああはなれんのじゃないか?とか。
全員が、ものすごく細い糸の上を危うく歩いてるみたいで、それが、もうどうしようもなくズタズタに切れて崩れて、とはならず、大地を踏みしめてるみたいな協花さんに支えられて着地していくのは、作家の優しさか。
協花さんは、オールマイティ、天使?妖精?

ここまで書いて、一晩置いて考える。
ドラマとしては、もっとむき出しに怒ったり泣いたり掴み合ったりのカタストロフィが欲しくなるけれど、そんな感情の爆発的なところはきゅっとまとめて(麗良さんのあそこに持っていくためにすべてがあったのか?と思いました)、あとがふわっとしてるのは、結局のところ「複雑な人はなんでもない顔をしている。」ってことなのかな、と。実際、人はそんなにあれこれ剥き出したり爆発したりしないんだよなぁ、と。なんでもない顔をしてしまっている日常を、ふと顧みたりするのでした。