三都市公演
三都市公演覚書。
この少人数のチームがやっていけるのは、あれこれ協力してくださる会場さんあってのことでございます。いやほんと。
こちらが動きやすいようにあれこれ気を配って下さり、お客様を呼んで下さり、居心地のいいことったら。
さて、今回の大阪公演では、初めて使った場所があったのでした。コラリオンは昭和のジュース工場のリノベ空間。舞台下手に階段があり、ここの上で読む、と言うことは何度かしているのだけれど、その向こうにある空間と言うか部屋と言うか。舞台の上に中二階と言えばいいのだろうか。この中から芝居を始めると言うのはやってみたいのだけれど、そうすると開場前から潜んでいなければいけないわけで、それは、ちと難しい。ひとり企画。なにかあった時に対応出来る状態にしておかなければいけないので、動きが取れないところにスタンバイはNG。
でも、使いたいよなぁとずっと思っていた。
今回、前半の途中で『氷河鼠の毛皮』と言う作品を語ることにしていたのだが、そうか、ここで上に行こう!
「では、このお話は、少し高いところから始めてみましょう」と宣言し、千紘さんが音楽を奏でてくれている間に階段を上る。部屋に入る。窓から顔を出して語り始める。と言う形にする。
この物語は北の方から切れ切れに風に飛ばされてやってきたと言う設定になっていて、全体が6つに分かれている。「これが風の飛ばしてよこした五番目の報告」などと言うセリフもある。と言うことで、テキストも6つに分ける。
そして、窓から顔を出してひとつ目とふたつ目のテキストをひらひらさせながら、ひとつめのテキストを語り、高らかにタイトル宣言をして顔をひっこめ、階段のところに出てきてふたつ目を読む。三つ目以降は列車の中の話になるので、椅子に座って。
イイ感じの構成できたなぁ。
しかし問題は金沢と東京。そんな都合の良い中二階はございません。
と言うことで、この2会場では「少し後ろから」と言いながら客席の後ろに行って、そこからテキストをひらひらさせて歩きながら語ると言う形にする。
東京では、その途中に賢治関連本コーナーがあり、そこにも長堀さんが明かりを作ってくれていたので、その明かりのもとでひらひらさせたりする。
大阪での形があったからこその動きなわけで、これはこれで面白かったな。
『セロ弾きのゴーシュ』は楽長さんのキャラクターを見直したことで、冒頭でのキレ具合が上がり、そのことで猫のシーンでのゴーシュのキレ具合も上がった。
カッコウのシーンは、千紘さんからの指摘された部分の見直し、ありがたし。
タヌキの子は素直なキャラクターなので、毎度演じていて、こちらも素直に楽しい。
ネズミのシーンは、子ネズミが何をしているのかは、賢治は書いていない。ただ、私自身は声に出して演じることを始めてから感じていることがある。今回は、それも動きとして出している。額面通り治療に来ているとは思えないのよね。だいたい、賢治の書くネズミって、そんな素直なキャラクターじゃないし……。
そしてエンディング。
アンケートを見ていると、冒頭で楽長さんのキレ具合を上げたことで、むしろラストでかいま見える彼の内面が見えたようで、愛され度が上がったようです。
20年やっていても、発見があったり変わるところがあったり。それは、私自身の変化もあるし、一緒に組む楽士さんが変わる事での変化もあるのだろうな。
さて、今回のゴーシュは来年もう一度。延期になった小学校公演がありますよ。まだ、本は片付けられないですね。動物たちも、まだ、帰るなよ。まだしばらく私の中で遊んでおいで。そんな気分。

キャロル
記録写真をまだ貰っていないのだが、忘れないうちに書いておこう。学童での『クリスマスキャロル』の記録。
実は、今年度は児童数が200人近くなっていて、夏休みのお話の国は学年で分けて開催。全員(さすがに200人全員ってことはないが)を対象にいっぺんにと言うのは今年度は初めて。
お話を聞くのはめんどくさいと言う子もいる。そういう子は後ろで静かにゴロゴロしていてもいいと私は思っているのだけれど、「ちゃんと座りなさい」ってなっちゃうのね。まぁ、人数が多いだけに、うっかりするとカオスになるから分からなくはないのだけれど……このあたりは施設の方針とかもあるから、やむなし。
いつも通り、太鼓のリズムで始める。太鼓でドンドンドントコイを叩き始めると、合わせ始める。いや、これが見事。子供たち、こっちは何の指示もしていないけれど、全員やってました。普段、私が声を掛けるとそっぽを向く子も、率先してやってる。全員が一つのリズムを叩いているその瞬間の空気。おおっとなる。静かに太鼓を止めると、まだしばらく手を叩いている子たちがいる。少しずつ気が付いて手を止めていく。
「ほら、もう終わってるよ、ちゃんと聞いて」
いや、大人からのその声かけは、いらなかったです~。そのうち気が付くか、友達が声を掛けてくれるから~。ここはちょっと残念。
前回もやったのだけれど、冬至とクリスマスの関係を簡単に説明。なぜクリスマスがこんなに受け入れられるかと言えば、根本に冬至と言う自然と関わる根源的な行事があるからだと思っている。キリスト教の行事と言う認識だと、宗教的に抵抗のある子もいるかもしれないよな、とも思うので(外国ルーツの子も増えている)。
と言うことで、お話小魔女さん登場。「みんなに協力して欲しいことがあるんじゃ」と語りかける。物語の最後、登場人物から何日かと聞かれたら、25日と言って欲しいと(この日は24日)。
ここで、イーゼルとイスを並べて黒布をかけたステージの後ろへ。左手にスクルージ人形、右手に小魔女人形で登場、クリスマスキャロルスタート。街の人々、牧師、ボブと子供、フレッドなどの声は他の職員と、4年生有志。4年生は、思ったより参加してくれてる子が多い。こちらが準備を始める前から、ソワソワと台本を持ってウロウロしているのが可愛い。
私は精霊として登場。左手のスクルージを操作しつつ、黒布の後ろで右手で色の布(輪にしている)を被り登場する。黄布で過去の精霊、静かな声で。緑布で現在の精霊、晴れやかな声で人々のクリスマスを紹介。黒布と黒帽子の未来の精霊は、何も言わず、静かに指をさす。
悔い改めてスクルージが寄付をする時は、人生ゲームの札束を使用。
フレッドのクリスマスパーティーに参加すると、小魔女によって、地味な服が派手な緑の服に早変わり!
あっという間に15分ばかりの『クリスマスキャロル』終了。
セリフを担当してみて「難しかった~」と言いつつ、楽しそうな顔をしているので、良かった良かった。
2年生以上はお話の国のむー先生=H先生(夫の姓)であると認識しているのだけれど、1年生はそこが判っていない子もいる。
午後の遊びの時間、まじまじと私の顔を見て、「さっき、お話してた?」と聞いてくる子がいる。以前、「むー先生と似てる」と言ってきた子もいたな。このあたりの子供の認識は面白い。
と言うことで、次にお話の国をするのは春休みかなぁ。
「今日はお話あるの?」「小魔女さんは?」そんな声を掛けてくる子がいると、えへへ、となる。嬉しいね。さぁ、次は何をやりましょうか。