川島むーのお茶祭り日記

お茶祭り企画代表、川島むーの心に映り行くよしなし事を、あれこれと

忘れない

 14年目の今日と言う日。

 この日を重く受け止めるようになったのは、結婚してからかもしれない。それまでは、多分、ショックの部分が大きかった。あの時の諸々を自分の中で整理し、冷静に見つめるようになった時期と結婚の時期が重なっていたと言うことかもしれないが。
 何よりも、失いたくない家族の存在。一緒なら乗り越えていけると思える家族の存在。それは、私の中で、とても大きい。
 

 1月17日。
 私は、その大きな出来事のほんの片隅に居ただけ。直接大きな被害を受けた訳ではない。それでも、ずっと、どこかに痛みを抱え続けている。忘れない、忘れられない、忘れてはいけない。受け止め続ける。

 あの日の揺れを忘れない。
 あの日の父母の冷静な対応を忘れない、職場で私を取り囲んだ生徒達の声を忘れない、見慣れたビルの砕けたガラス、歩道橋の階段にできた隙間を忘れない、公衆電話に並んだ人達を忘れない、動けなくなったバスを降りて歩いた道を忘れない、電話が通じなかったときの不安を忘れない、通じたときの泣きそうな思いを忘れない、電話の向こうで「ありがとうありがとう」と繰り返した友人の震える声を忘れない、風景が壊れると言うことを忘れない、母の実家の近所の光景を、ボランティアで入った避難所で見た光景を忘れない、後悔してもしきれない悔しさを忘れない、自分が生きているのだと言うことを忘れない、生かされている命であることを忘れない。あの経験があるからこその、自分のありようを忘れない。

 普段は忘れていても、今日だけは、しっかりとみつめる。思いを新たに、前を向く。