川島むーのお茶祭り日記

お茶祭り企画代表、川島むーの心に映り行くよしなし事を、あれこれと

じゃくちゅう〜

 若冲展、観て来ました。

 平日でも大変とは聞いていたし、ツイッターでも確認していたし、でもやっぱり見たい。多分、これは見ないと後悔する。
 だから早起きして開館時間前に……と思っていたが、無理でした〜。着いたのがちょうど開館時間。その段階で160分待ち。一瞬、何時間?と計算できませんでしたよ。事前にチケット買っておいて正解。


 途中に給水ポイントがあり、なんのアスリートだ我々は?と思う。それより、トイレを設置しておいてほしかったぞ。

 おにぎり、飲み物、お菓子を用意し、翌日のライブに向けてのセットリスト案と『楽屋』の台本を握りしめ、まぁ、3時間以内なら持つだろうと。幸い、お天気もちょっと涼しいくらい。おまけに上野公園の中。時々爽やかな風。……かつて、天王寺美術館で、あれは応挙展だったかな、あそこで並んだ時は、癒しが無くてしんどかったなぁ。
 などと思いつつ、すぐそばに居る男性の読んでいる書籍が気になる。どう考えても土器の図面が載っている。ふと、本を閉じた瞬間に横目でチェック。おお、陶邑関連か。なんちゃって考古学徒の悲しさ、声をかけても「昔やってました〜」「豊中の窯跡調査しました〜」以上に話が広がらないので、あえて、横目で見るだけ。

 途中、「誰かっ!」と言う声。うわぁ、人が倒れてますよ〜。意識は取り戻したみたいだし、大丈夫だったかなぁ。

 そんなこんなで、ようやく、館内へ。

 ここで、外では4列だった列幅が広げられる。あと少し。いや、その前に荷物をロッカーに入れたいが。トイレにも行きたいんだが。
 ふと見ると、隣の女性もひとり。明らかに、荷物は二つに分けてある。その視線はロッカーへ。絶対、同じこと考えてるよね。

「ロッカーに、入れたいですよね」と声をかける。
「私も入れたいし」「じゃあ、交代で」
 すぐにこっちの意図を察知しての打てば響く反応が嬉しい。その後は交代でトイレにも。

 何が楽しかったと言って、この時、前後の方も何も言わないのに気にかけて下さっていたこと。離れている間に、急に列が進んだりする。お互いを見失いそうになる。と、前の方が「あ〜、行き過ぎたぞ〜」と手を振って下さったり、後ろの方が「ここ、ここ」と呼んで下さったり。
 2時間半、ともに並んだ、同志感情。あと少しと言う安心感も手伝って、しばしお喋り。いい時間でした。

 かなり、入場制限かけているんだろうなぁ。館内は、思ったほどにはぎゅうぎゅうではなかった。どうしても、エリアに入ったすぐのところが混むのだが、別に絵に順番がある訳ではないので、すいているところから見たり、最前列を狙わなければ、結構ちゃんと見れたりしたのでした。
 どうしても見たいところは、あとから落ち着いて並んでチェック。うん、菜蟲譜は題字が魅力的で、ちゃんとそこが見たくて、あとで並んでじっくり堪能。
 
 華麗な色遣いの作品もいいけど、私の目をひいたのは、墨絵の世界。墨の濃淡と筆遣い。いや、あれ、濃淡だけじゃなく、墨自体も使い分けてるのかな。目が離せませんでした。
 点描の石燈籠も、たまらなく魅力的。
 木版画は、思わず足を止めてしまいました。

 と言うことで、並んだ甲斐のあった、若冲展。しかし、だからと言って、あの待ち時間は誰にでもすすめるって訳にはいかんなぁ。NHK、特番であおり過ぎでしょ。

 図録は完売で、注文発送に。外に受付用の可愛らしい屋台が出ておりました。隣に青い暖簾の屋台があり、そちらは見本が置かれておりました。