川島むーのお茶祭り日記

お茶祭り企画代表、川島むーの心に映り行くよしなし事を、あれこれと

海北友松


 先週行き損ねた「海北友松展」@京都国立博物館へ。初めて入る平成知新館は、落ち着いた空間。
 うん、予想以上に、混んでいなかった。ちょっと拍子抜け。ゆったり見れて良かったですわ。

 面白かったです。
 描きようがどんどん変わっていくのが面白い。チラシにもなっていて、かなり気合を入れて展示されている雲龍図は、リアルな部分、うねうねしている部分よりも、すーっと描かれた弧に目が行きました。潔く略された表現と言うか。絵葉書は、そこの部分がなかったので、もっぱら、キュートな猿の絵のものを購入したさ。
 面白かったのは源氏物語絵詞。絵は失われているのだけれど、残っている詞から絵は友松が描いたと判ると言うもの。うわぁ、絵が見たかったねぇ。どんなのだったんだろう。
 春日局のお父さんと親友だったとか(お墓も並んでいるとか)、朝鮮の人にも気に入られていたとか、へぇ。
 飲中八仙図は、なんだか会話が聞こえてくるようで、絵の前でふふふと笑ってしまう。好きだわ、これ。
 
 そうそう、すぐそばにいた女性二人が「さっきキャプション読んでませんでした?」と突っ込みたくなる会話を展開しまくっていて、どうしようかと思ったです。
 「これ、何持ってるんやろ?」「象牙かな?」……いや、あの、琴って書いてありましたけど。あのキャプションの前で随分喋ってらっしゃいましたよ?(……後ろで待ってた人)。
 絵に集中できなくなりそうで、ちょっと離れましたが、ずっと聞いていたくもありました。
 京都は、猫展もやってるんだよなぁ。読みかけの『旅猫リポート』を片手に電車に乗ったら、猫展の中吊りに迎えられてぎょっとし、修学旅行で京都に行く話が出てきて更にぎょっとする。駅から博物館に行く途中には、昼間に富士栄さんのフェイスブックで話題にした甘春堂さんがあり、思わず茶寿器をまじまじと見てしまう。
 ああ、でも、混んでなくて良かった。
 混んでる展覧会、「阿修羅展」「春画展」「若冲展」と言う恐ろしいものを経験してるから、もう、なんでも来いっ!て気分ではあるんですけどね。
 秋の「北斎展」は混みそうだなぁ。