川島むーのお茶祭り日記

お茶祭り企画代表、川島むーの心に映り行くよしなし事を、あれこれと

ライフ・オブ・パイ

 ナショナルシアターライブ『ライフ・オブ・パイ』滑り込みで観てきました。
大阪を逃し、京都・神戸も無理かと思ってたら、上演期間が思っていたより一週間長くなってた~。

 

 原作は読んでいない。何年か前の映画も見ていないのだが、その予告は妙に心に残っていた。
 終わって、画面の向こうの客席と一緒にスタンディングしそうな気持を抑えつつ、画面に向かって拍手。
 まず、パイ役の役者さんの身体能力、そのしなやかさにつかまれる。ベッドから飛び降りる瞬間の美しかったこと。
 そして、パペットで登場する動物たち。ああ、こういうの、好き。
 登場人物の一人一人が愛おしく、パペットで登場する動物たちも愛おしく、それらの命が失われることが悲しくて悲しくて。
 宗教、家族、差別、命……提示されるテーマ・問題が、振り返ってみればとんでもなく山盛りで、それらが混然一体となって、ぐいっとこっちに突き付けて来る瞬間がある。まさか、こんなきつい展開が待ってるとは思わなかったから、終盤は結構つらくて、それだけに、最後の最後の言葉で目からぶわっとあふれるものがあったのでした。オカモトさ~ん。
 物語は人を生かすのだ、と。
 いや、それにしてもオカモトさんの造形が……日本人だなぁと、いらっとするけど、うん、ごめん、納得するわ。
 三宮まで行ったけど、寄り道もせず帰るのでありました。