川島むーのお茶祭り日記

お茶祭り企画代表、川島むーの心に映り行くよしなし事を、あれこれと

人の為、夢と幻

 人の為と書いて、「偽」ですか。予想通りではあるんだろうけれど、マイナスイメージの字と言うのはなぁ。私は「装」であって欲しかった。偽装の装でもあるけれど、盛装の装と考えれば華やいだ雰囲気で結婚話での盛り上がりにも通じると。プラスマイナス両方のイメージを盛り込んで、装うと言う字で、と思っていたのだが…。

 さて、先日読んだ『退屈姫君〜』が楽しかったので、もう一冊、米村圭伍さんの本を借りてきた。(・・・ほんまは、退屈姫君シリーズの最初のが読みたいのだが、戸塚図書館には無いみたい。よそからまわしてもらわないと・・・)
 『影法師夢幻』。目次を見ると「真田手毬唄」とか「隠し砦」とか、なかなか魅惑的な文字が並んでいたので、チョイス。
 どうやら、この方の小説はあちこちで繋がっているようで、退屈姫君で覚えのある名前が…。こうなると、他の作品がどんどん気になってくるではないですか〜。まんまと罠にはまってるな。
 で、『影法師〜』、やはり、軽いノリの講談調でスイスイ読めてしまう。夏の陣で始まったと思ったら、あっという間に11代家斉の時代。え?と戸惑いつつ、あっという間に惹き込まれる。あっちこっちで登場人物に(と言うか作者に)騙された〜を繰り返し、ラストへ。

 ・・・ちょっと、びっくりした。切ないよ。なんて明るく切ない結末。退屈姫君と同じくお気楽〜で行くのかと思ったら、このラスト。やられた。やられました。胸がきゅっと痛くなりました。タイトルの意味は、そう言うことだったのですね。

 と言うことで、すっかり作者の手の内な私。他の作品も読むことになりそうです。