『パンプキン! 模擬原爆の夏』と言う児童書がある。
毎年やって来る8月、どう伝えて行くのか、と言う課題。
私あたりの世代が、ぎりぎり、親が戦争を体験している世代かな。そうでなかったとしても、祖父母がしっかり体験している。祖父母の体験を聴ける、と言う意味ではもう少し若い世代も、直接聴いている世代か。
でも、今の小学生だと、親が私と同世代かそれより若いか。下手をすると、祖父母もあまり戦争の記憶が無かったりする。
そうした中で、どうやったら伝えられるのだろう、と思う。彼らが、自分に繋がっている事として受け止めるには、どうしたらいいのだろう。ただ、悲惨だった話を聴かせるだけでは「ああ、またその話?」「うん、知ってる知ってる」で終わってしまいそうで。
何か、学童に持って行けるような本は無いかと探して3年前だったかな、見つけた『パンプキン! 模擬原爆の夏』と言う児童書。これは、小学生に読んで欲しいと思う。
ひょんな事で、原爆投下までに日本中に落とされた模擬原爆があり、それが自分の住んでいる町にも落とされ犠牲者が出ていると知った小学生の主人公。
今どきのごくフツーの小学生にとって、アメリカはディズニーの国、中国は可愛いパンダの国、韓国はキムチや韓流アイドルの国。
戦争とそれらの国を結び付けて考えることなど無かったであろう彼女の「なんで?」は、とてもリアル。知らなかったことを知ってしまって、混乱しながらも調べて行く。そう、調べ学習やその発表と言うことも提示されている辺りも、正しく夏休み向け。
ただ戦争の話、と言うだけでなく、こう言うアプローチの仕方も、これからは考えて行かないといけないのではないかと思う。
学童の本棚には置いているのだが、読んでくれている子は、いるのかなぁ。そうか、この作者の人気シリーズ『若おかみは小学生』と並べて置いてみると興味を持つかしら。ふむ。