川島むーのお茶祭り日記

お茶祭り企画代表、川島むーの心に映り行くよしなし事を、あれこれと

集う詩人

 午前中、某所で面接。ま、それはそれとして・・・。

 神保町の三省堂で行われた詩人の朗読イベントに出かけてきた。三省堂による書籍「生きのびろ、ことば」「やさしい現代詩―自作朗読CD付き」の出版記念イベント。
 基本的には、「優しい現代詩」の作品を読まれるのだが、もちろん、それに1〜2編追加される方もいらっしゃる。ちょっとお得感。
 新川和江さんと佐々木幹郎さんが隣り合っていたので、その近くを陣取る。佐々木さんが、新川さんの世話役みたいな状態になっているのが、微笑ましい。
 声に出して読む、と言うことに対するスタンスの違う詩人達が12人並ぶ訳で、そのバラバラな感じが、良い。それでいて、互いを尊重している感じが、良い。

 私は、詩の世界どっぷりではない。十代の頃に詩を書いていたが、大学に入った頃に書くのはやめた。書ける人がたくさんいる、自分の言葉がつまらなく思えた。それに、新川和江さんの詩を読んでいたら楽しかった。その時その時に必要な言葉が彼女の詩の中にあって、「私、書く必要ないじゃない。」と思ったのだよなぁ。…その新川さんが選者をされている詩のコーナーに毎月詩を送り続けて玉砕してたし…。
 もう一度詩の世界に踏み込んだのは詩のボクシングがきっかけ。だから、多分、私はそれほど多くの詩を読んでいない。詩人や詩に対する知識もまだまだ足りない。
 だから、今回のイベントの出演者の中には、今回初めて名前を知った方もいる。予備知識無しと言うのも、楽しめて良かったのかも。知らないのだと言うことを知る事は大事なのです。

 平田俊子さんは、この前のリーディング公演でも聴いたもの。2度目でも、やっぱり、いいな。そ〜っとご挨拶。覚えていて下さったのが嬉しい。
 文字で書かれたものと声に出した時では違うのが、佐々木さんとねじめ正一さん。うん、これが自作朗読の面白さだと思う。こればっかりは、書いた本人でないと出来ない事。生で聴く「あーちゃん」。脱帽。

 12人全員について書こうとすると果てしない事になりそうなので、これぐらいで。
 小さな声で突っ込んだりしているのが聞こえるのは、前のほうに座った楽しさよ、でした。

 それにしても、あの空調の音とマイクの調整の不手際は、朗読イベントなんだから、ちょっと考えましょうよ。最初の方で読まれた方に、後でもう一度読み直しをしてもらうってのは、どうかと。いや、まぁ、こっちはちょっと得した気分だったけど。で、後半のトークで順番にマイクを廻していたのだが、「ね、響いてますよ」「エコーが」「カラオケ用?」とマイクを廻された詩人さんが言ってる(つっこんでる)のに、何故すぐに対応しないの?ん〜、ついスタッフ駄目出しをしてしまうのは、悲しい性ですな。
 そう言う状態をほのぼのと笑って面白がっている皆様は素敵でした。


 残念だったのは、佐々木さんに声を掛けられなかったこと。
 2004年の詩のボクシング全国大会、一回戦敗退だった私。でも、テレビ放送で佐々木さんがニコニコと私のほうに札を上げ、敗退を残念がって下さった。その事は、私に大きな力をくれたのだ。それがなかったら、もしかして、詩ボクは続けてなかったかもなぁと思う。だから、ひと言、ありがとうございましたとお伝えしたかったのだけどな。