昨日は、録画していた「たけしアート☆ビートSP〜楽しくなければやっぱりアートじゃない〜」も、見ました。
ビートたけしさんが現代美術家のヤノベケンジさんと京都造形芸術大学の学生の手を借りて「自分史上最大作品」に挑戦!と言うもの。
ヤノベさん好きとしては、見逃せない。と言いつつ録画ですが。しゃあないやろ〜。
まずは、京都造形芸術大学にびっくりした。学生を育てる事に労力を惜しまない大学と言うのかな。優れた学者や芸術家が優れた教育者とは限らない。でも、この番組で登場した先生方は、芸術家であると同時に、確かな教育者でもあると思った。ああ、束芋さんみたいな人が出てくる訳だ。すんばらしく素敵で変態な先生と若者がいっぱい。たけしさんの言葉に敏感に反応している学生さんに、いいなぁいいなぁと思う。
AKBの衣装はこの大学の学生が手掛けているそうな。
もちろん、取り上げられているのはほんの一部だし、いいところしか出していないだろうけれど。ウルトラ工房なんかを見てしまうと、これは、行きたくなるわと思ってしまいましたよ。守りに入らない、攻めの姿勢。
……と言いつつ、ちょっと舞台芸術科は心配になったけれど……。あれでいいのかなぁ。もちろん、絵やデザインと違って、演劇は集団で作るものだから、ちょっと違うのかもしれないけれど、個として弱い感じがしたのだな。たけしさんのお題で作った寸劇も、なんだか、え?今どきの若者がこれ?と言う古臭さを感じてしまったのでした。残念。
それはそれとして、京都造形芸術大学を嬉々として巡るたけしさんと一緒にこっちもワクワク。
そうだよねぇ、昔の人は、画材は自分で作っていたんだよね。絵画技法材料研究の先生のところでは、学生は自分の画材を自分で作る。自分に相応しい材料や技法を追求。うむむ、界面活性剤(つまりは台所用洗剤)で油絵具と水彩絵具を混ぜてしまうのかぁ。
さてさて、メインはヤノベケンジさんとたけしさんが共同で作る作品だった訳ですが。
私がヤノベさんの作品が好きなのは、見た瞬間、なんだこりゃあと笑えること。そして、改めて見て、そこに込められた意味、思いが胸に落ちてくるところ。
一見ユーモラスなちょび髭のおっちゃんトらやんは防護服を着ている。http://d.hatena.ne.jp/ochamatsuri/20091001
水都大阪で中之島に登場した、水と火を噴くラッキードラゴンは幸福竜つまりは第五福竜丸。 http://d.hatena.ne.jp/ochamatsuri/20091015 http://d.hatena.ne.jp/ochamatsuri/20091016
南茨木駅前に出現したサンチャイルドは防護ヘルメットをはずし、かなたを見つめる子供の像。http://d.hatena.ne.jp/ochamatsuri/20120503
どれも、見てると、笑って、涙が出そうになります。
で、たけしさんとの作品は、たけしさんっぽくもあり、でもヤノベテイストで。「金の斧」のパロディ(真似をして斧を投げ込んだら、斧が神様の頭に刺さってしまい……)と言う所が、私の琴線に触れるのでありました。東京都現代美術館での展示は終了。春は、瀬戸内国際芸術祭2013に登場だそうな。