これが最後の公演を二本続けてみることになる。
維新派の最後の公演が始まっている。
ニュースで、マイクを向けられた女性が「おーいと言うかけ声が好きなんです」と言っていた。うんうん、と思う人がたくさんいるだろうな。
あの声に、いつもどきどきする。かけ声と言うか、私は呼び声と思っている。
遠い記憶の向こうからの呼び声。過去からの、と同時に未来からの。自分の中の血の記憶、深淵からの呼び声。あの声、あの音。もう、あの声を聴くのはこれが最後なのかと、今から泣きそうだ。
西で維新派が最後の公演なら、同じ時期に東の地では、トリのマーク(通称)が最後の公演だと言う(私の中では、長らくトリの形と呼んでいたが。団体名がドードーのシルエットと言う……)。
私にとっては、ただ好きな劇団と言うだけではなく、10年前に始まった関東暮らしの中、こっちで演じる場を作るきっかけをくれた劇団。
あのたった一度だけの出演が、その後にどれだけ影響しているか。……ま、まぁ、トリに大阪弁が登場すると言う、かなり特殊なことになっていた気はするが。
あれ、トリのファンにはどうだったのかしらと、いまだに謎です。
と言うことで、今週は、下北沢で、トリのマーク『ここから見えるのはきみの家』と楽園王『物語』を見て、翌日は奈良に入って維新派『アマハラ』なのである。防寒着の用意をしなくっちゃ。