川島むーのお茶祭り日記

お茶祭り企画代表、川島むーの心に映り行くよしなし事を、あれこれと

言葉をめぐる夜

言葉をめぐる夜
「山科」@関内にて、なとちんさん主催のオープンマイクイベント『Relational Words 〜つながる言葉〜Vol.2』に参加してきました。

 ……その前に、昼間は稽古。照明さんに来てもらって見てもらって打ち合せして。それから向かったのでした。
 夏の詩。久しぶりに読む作品と、夏の定番、蝉の詩。なんだか、他の方の詩にも蝉が出てきて、こりゃあ、やっぱりこれを詠まないと、と思ったのでした。

 ロング枠も頂いたので、語り芝居『けだもの運動会』(宮沢賢治)もやって来たのでした。オリンピック最終日に、これをやれたことに感謝。今年はもう一回、これをやる機会があるわけで、楽しみ楽しみ。

 途中、お題が出されて、みんなで一行ずつ言葉を書いていったり。そんな時間もありました。
 音楽系の人たちの中で、ちょっと異質なのかなぁと思いつつ、その分、物珍しさもあって、喜んでもらえているのかなぁ、などなど。あれこれ考えつつ、夜は更けていくのでした。

 そんな夜の記録と記憶。

『山科の夜』

灯りがともる
白い壁は
灯りを柔らかく広げる
黒いピアノがある
輝くドラムがある
あたたかな木の机

優しく歌う男がいる
とつとつと語る男がいる
マザー・テレサを読む女がいる
えへっとビールをお代わりする男がいる
見守る女がいる
見守る、写真の中の男

差し出されるピクルス
甘味と酸味
男と女

言葉が生まれる
言葉がめぐる

時が めぐる

コーヒーの香り

やがて

灯りが消える
ビールが消える
携帯が消える
机がドラムがピアノが消える
カップから飛び立つ蝶

ざわめきが消える

夏の夜 闇の中

言葉だけが 残る