川島むーのお茶祭り日記

お茶祭り企画代表、川島むーの心に映り行くよしなし事を、あれこれと

子供たちと「三枚のお札」

 夏休みが終わった。あ、小学生のね。
 ほっとする。夏休みの学童は、一年で一番過酷な時。大きな事故無く終わったようで、良かった。
 で、そんな夏休みにむー先生のお話の国、として、お話の時間担当を仰せつかっていたのです。(始める前に声のウォーミングアップの時間を貰うべきだったなと言うのは、反省点。)
 ラスト2回は特別編。
 今日ははみんなで作る「三枚のお札」。

「今日はみんなにも手伝ってほしいから」と、「まだ出るまだ出る」「だがずぐだがずぐだがずぐよ」を覚えてもらう。最初は本を読みながら昔話として語り出し、和尚さんがお札を渡すところで、本に挟んでいたお札(可愛い和柄の折り紙三種で作る)をさっと出し、「誰か小僧さんやってくれないかな」と言うと、お、一瞬の戸惑いの後、手が上がって来る。小僧さん役決定。
 実は、本では桜を見に行くことになってるけど、栗を拾いに行く設定に変更したのはこれからの季節と子供たちの経験を考えて。
「あそこに栗があるよ、どうやって拾う?」と問うと、「手袋下さい」なるほど、そう来たか。エア手袋はめてあげると、拾い出し、あ、背中に籠か何か背負ってるのね。
 山姥役は大人にお願い(子供たちが手を上げてたの、可愛い)。スズランテープの白髪カツラはウケます。レゴ板で作った包丁。事前にお願いした時は「出来るかなぁ」と言っていた割に「へっへっへっ」とノリノリで包丁を研ぐ大人の姿は、子供にとって嬉しい。
 厠に残されたお札の「まだ出る」の声は、山姥の「まだかまだか」に合わせて揃ってくる。
「大きな川出ろ」に、水色の布を出して「誰か、川をやって」と言うと、次々と手が上がる。川を前にした山姥。「どうするかな?」と言うと色んな意見が出てきたので、これは使えると「じゃあ、みんなで決めよう」と多数決。
「大きな砂山」は黒い布。最初二人、もう一人追加すると、三人でどうするか考えてるのも、良いな。
 お寺の門も子供にやってもらい、私はなかなか門を開けない和尚さん。「僕だよ」「あ?ボクボク詐欺か?」は、ちょっとウケました。小僧さんの子は、最初は小さな声だったのに、ここではもう自分で言葉を考えて門を開けてと大きな声。
 門を開けて、たくさんの小僧さん仲間の中へ帰らせる。
 山姥にビビりつつ、「大きくなれるか?」「なれる(だがずぐだがずぐ……に合わせ、椅子の上で大きく体を広げる)」「小さくなって豆粒は無理じゃろう」「なれる」
 ここで最後のアイテム。子供たちの玩具。豆粒をお箸でつかむ知育玩具の豆粒を椅子の上に置いてもらい、それを和尚がパクリっ。めでたしめでたし。
 やる前の心配など吹っ飛ばす勢いで子供たちが参加してくれて、仕掛けた私が最高に楽しかったのでした。
 役をやってくれた子供たちをもう一度前に出して拍手。手を上げてくれた子たち、一緒に声を出してくれた皆に拍手。
「三枚のお札」は、色々使えるなぁ。
 本当は厠でのお札の台詞は、「まだ出るウンコ、さいずちごろしょ」にしたかったのだけれど、100人近い子供たちがこれでテンション上がると収拾つかなくなりそうなのと、家に帰って連呼する可能性があり、そこはコンセンサスを取ってなかったので。

 実はこの台詞は、私が幼い頃に何度も聴いていたソノシートのもの。それが宇野重吉さんの朗読だったと、大人になって知りました。自分の原点にえらいものがあったのだと言う事実は、なかなか震えます。