川島むーのお茶祭り日記

お茶祭り企画代表、川島むーの心に映り行くよしなし事を、あれこれと

萱野先生のこと

 萱野茂先生が亡くなられた。みんぱくでの思い出が甦る。

 毎年秋に行われるカムイノミ。みんぱくに展示されているアイヌの民家で行われる儀式。(これを行うことが、移築の条件であったらしい。)これを執り行う為に、毎年北海道は二風谷から、奥様やお手伝いの方とともに来館されていたのだ。
 で、それを手伝うのが、私たちの部署の仕事であった。共食儀礼のための鮭汁、いくら粥、キビ餅…。朝からワイワイ。準備が出来たら食事は共食会場へ。そして、儀礼を見学するために展示場へ。民家の中での儀礼は先生方。それを見守る私たち。アイヌ語の響きが耳に心地よい。
 ニコニコと嬉しそうな先生は、とても大きく暖かな空気を持った人だったな。

「皆さん、二風谷に遊びにいらっしゃい。」

 私たちにとっては、気のいいおじさん。でも、アイヌ初の国会議員であり、アイヌ民族としての誇りを持って、強く強く生きておられた方。

 酒箸(イクパスイ)は神様に言葉を伝える。「携帯電話ですね」と耳に当てられていましたね。先生にも、伝わりますか?
 いつか、行きたいと思います。幼い頃に読んだ「ユーカラ」。英雄ポイヤウンペの物語が、私にとってのアイヌの原体験です。