川島むーのお茶祭り日記

お茶祭り企画代表、川島むーの心に映り行くよしなし事を、あれこれと

戯れる画

ochamatsuri2007-11-15

 昨日は、初の東京ミッドタウン行き。と言っても、ほぼわき目も振らずサントリー美術館へ入り、美術館を出るとさっさと次の目的地へ。で、まったくミッドタウンの実感は無い。ま、いいか。

 サントリー美術館で開催中の『鳥獣戯画がやってきた!』を観て来たのだ。前期後期で展示場面が変わる。これは、絵巻物ゆえ、仕方ないよなぁ。後期も観に行けるやろか。

 巻物の扱いは大変なんだよ。ちょっとずつ開いて行く。裏をすっちゃいけないし。紙を何枚も継いでいるから、一枚だけ抜かれたり、ということも起きる。だから外部へ貸し出す時は枚数を数える。お経の場合は行数まで数える。・・・などと博物館学の授業を思い出す。

 抜けてるよなぁ。いつ頃無くなったんだろう。継ぎ目で絵の繋がりがおかしいよなぁ。と言うことぐらいまでは、素人目にも判る。
 今回の展覧会は、後世の写本も展示されている。そこに抜けている場面があったり順番が違ったり。いったい、一番最初はどんな順番だったのか。これも、鳥獣戯画の魅力だな。謎解き心をそそる。
 この作品が生み出された時代の他の白描作品も展示されている。これがまた、面白いわ。
 この頃の一連の作品は、ほんまに、漫画やね。この感覚が江戸期の作品にも見られるわけで、日本人にとっての漫画のルーツってことを考えると、深いなぁ。
 目に付いた漫画ポイントをいくつか。古代のホッケー毬杖(ぎっちょう)では、打たれた球が、尾を引いてる。お坊さんの前に描かれた掛け軸の省略された仏画(?不動明王なのかな?)は、まるっきり宇宙人だし。放屁合戦てあなた、何をしはるんですか。袋に皆でお尻を向けてガスを溜めてますがな。男どもの陽物較べには大笑い。立ち止まってじっくり拝見。覗きにきて追い返されている人の、いちびりな表情がおかしい。「へへ〜、ちょっと見た〜。」みたいな感じ。図録を見た相方の感想は「でか過ぎ!」。あははは。


 写真は図録。エコバッグに入ってます。しっかり鳥獣戯画。上の黒いのはカバー。これをかけると丸いところに兎だけが見えるようになる。裏表紙は猿が見えるようになっている。うん、なかなかよろしい。