川島むーのお茶祭り日記

お茶祭り企画代表、川島むーの心に映り行くよしなし事を、あれこれと

大切なプロセス

ochamatsuri2008-07-01

 NHKの「課外授業〜ようこそ先輩〜」が、結構好きである。
 この間の日曜日は、住職であり庭園デザイナーであると言う方の授業。

 うむむ、と思ったことが大きく二つ。

 そのひとつが、「ぼーっとしよう!感じよう!」と言うテーマ。いや、まさに、稽古場でやることのひとつ。同じことやん。役者の稽古と言うと、発声とかストレッチとか台詞の稽古とかのイメージが強いのかもしれない。もちろんそれもやるけれど、大事なのは自分を広げる事。あらゆることを繊細に感じること。そんな訓練(と言う言葉がふさわしいかどうかは判らないが)をしている。本番前で無い限り、台詞よりも即興の稽古が多いのもそういうことだよな。
 だから、この先生の言わんとしている事が、うん、そういうことね、とドキドキする。結局、基本となること、大切なことは、同じなんだ。
 この間の詩ボク神奈川大会。直前に心がけていたことは、まさに、これでございましたのよ。

 で、もうひとつはと言うと、この先生の授業の進め方。
 ぼーっとしようと言っても、忙しくスケジュールに追われることに慣れている子供たちには難しいことが判っている。スケッチブックを渡し、外でぼーっとしてきて、感じたことを描くように言う。「あくまで、感じることを大事にしてね。描くのは、それを伝えるためだから、描くのは最後でいいよ。」と念を押す。が、子供たちは、外に出てすぐにスケッチブックを広げて描き始める。全然ぼーっとしてません。何かしてないと落ち着かない。
 でも、いったん教室に戻り、お話を聞きながら、子供たちは「何か違ったな。」と気が付き始めている。で、「もういっぺん」と言われると、お、スケッチブックも持たずに飛び出す子がいる。持って出た子も、なんとなく安心材料として持っているだけで、楽しそうにぼーっとし始める。
 最初のワンステップ(失敗)が、必要だったのね。
 今度は、教室に戻り、先生は石を示す(庭師さんだもの)。石にも顔があると話す。そして、グループごとに数個の石と砂(発泡スチロールのトレーに入ってる)を渡し、自分たちの感じたことを表現してみようと言う。要するに、箱庭と言うかプチ石庭と言うか。
 グループで?そ、それは無茶でしょ、と思う私。
 子供たちは、意見がばらばら。ひとりが「こうだ」置くと、別の子は「いやこうだ」。ワイワイガヤガヤ。それでも、まぁ、なんとかまとめて行くわけだが。
 次に先生は、子供たちを外に呼ぶ。そこには、数種類の砂と、石と、植物の枝等が用意されている。そして、今度は各自に砂入りトレーが配られ、自分が感じたものを作ってみて、と言う。自分が心地よかった事、感じたことを元にした庭造り。子供たちは、俄然張り切る。そりゃそうだ、さっきのグループ作業で「こうしたい」「ああしたい」「自分はこうだ」と言う思いがつのってますがな。あ〜、無茶だ、などと思った私が浅はかでした。あれも大事なプロセスだったのですね。
 
 ワークの進め方と言うものを、学ばせていただきました。

 っていうか、ミニ石庭、楽しそうだ〜!