川島むーのお茶祭り日記

お茶祭り企画代表、川島むーの心に映り行くよしなし事を、あれこれと

言葉点描

〜粗忽者〜

 計画停電開始のある日、帰宅時間あたりから停電の我が家。バスを降りたら懐中電灯と思ってポケットに手を入れたら、・・・な、無い!げ、座席で落とした?ちょっとパニック。動きかけたバスのドアを思わずドンドン。扉が開く。
「何?」
「ごめんなさい、忘れ物を・・・懐中電灯・・・」
「お客さん、動き出してるのに危ないよ!」
「す、すみません」
 すぐに、気がついた方が拾って渡してくれる。
「ありがとうございます!」
 すみませんでした、ともう一度頭を下げるも、物も言わずに扉はバタン。バスは去る。
 
 いや、そりゃ、私が悪いんです。そこは、言い訳しません。でもね、こう言う状況の中だからこそ、何か、言葉ってあるといいのにな、と思う。駄目だよ!の後に、良かったね、気をつけなさいよ、と言えるといいなと。そう言う風に言葉を使える人になりたいな、と思う。
 と思うのは、テレビでもラジオでも聞こえてくる、金子みすずの詩の所為かしら?
 あ〜、でも、非常事態で、運転手さんもピリピリしてたんだと思う(道路の明かりも消えてるからねぇ)。だから、全面的にうっかり者の私が悪いです。運転手さんは悪くないです。御迷惑をおかけしました。


〜友情〜

 原発に関して、あれこれ情報が飛び交いだした頃、大阪の友人から電話が入る。落ち着いて喋ってると言うが上ずっている。「チェルノブイリで働いていた人が・・・」と、この出だしで、ちょっと申し訳ないがと遮る。言いたいことの想像は出来る。「信頼出来るお友達からの情報だから」「針が振りきれてるって」・・・勘弁してください。原発の状況が良くないことは、素人目にも判ります。で、不安も充分抱えている中で、それを駄目押しする事を言われても・・・。
 友人にしたら、悠長なことを言って居る場合ではない、と言う友情からの言葉。それは判る。感謝もしている。それでも、この状況で、恐怖心を煽る言葉から始められると困ってしまう。
 なので、申し訳ないが、詳細を聞く耳になれず、電話を切らせてもらう。ごめんね。友情に感謝。心配してくれてありがとう。
 今は、事態が少しでも落ち着くよう、祈るのみ。

 毎日、どこかで不安を抱えている。逃げ出せば、受け入れてくれる大阪がある。で、今は、逃げる時?悩みます、正直なところ。そりゃあ、命が大事。だからこそ、今、私がするべき事は何だ?自問が続きます。