川島むーのお茶祭り日記

お茶祭り企画代表、川島むーの心に映り行くよしなし事を、あれこれと

お花見


   咲く前の桜を見ると、染色家の志村ふくみさんが桜の樹皮から桜色を染めると言う話を思い出す。国語の教科書で、何度くり返し読んだろう。あれは、大岡信さんの文章だった。志村さんから聞かされ、花びらではなく樹皮、しかも咲き出す直前の樹から取った樹皮であることに驚き「木全体で懸命になって最上のピンクの色になろうとしている姿」と、そこばかりを私は覚えていたのだが、今、ちょっと調べてみたら、……
 そうだよなぁ。大岡信さんの文章なのだもの。桜の事だけでは終わっていなかったのだ。「言葉の力」というタイトルが付いたその文章は、そのあとに「これは言葉の世界での出来事と同じことではないか」と続いているのだ。
 改めて、読み直して良かった。大事な事を確認。
 さて、川沿いの桜は、全身のピンクが、ほんのり顔を出しはじめ……あ、咲いているの発見!

 家に帰る途中のお家の枇杷の樹。若い葉がつん!と立っているのが楽しい。でも、これ、夜道で見る方が好き。白い葉が夜闇に浮かんで、ろうそくのようなのです。