これは、ご縁、と言っていいのでしょう。
3月末、父の検査付き添いで阪大病院へ。帰りはタクシーで千里中央まで行き、そこで解散。郵便局に寄ったりしているうちに、ハッと気が付く。コートが無い!
フード付きのナイロンコート。それ自体は、もう20年使ってるし(確か新婚旅行に持って行ったぞ)、一か所ペンキ汚れもあるし、十分減価償却……いや、そもそも貰い物だ。問題は、ポケットに、千賀ゆう子さんの形見分けでいただいた手袋が入っていたこと。それは、惜しまれる……。
乗ったタクシーは、これが、個人タクシーで、父に確認したがレシートなどを貰っていないという。念のため、警察に届け出。病院に届いていないか確認したり、個人タクシーの組合に問い合わせてみたり。
いずれも、すぐに届け出があるかはわからないから、しばらくしたらまた確認してとのこと。あの個人タクシーさんは絶対、阪大病院によく来ているはず。父が指定したルート(学内を通る)を聞き返すこともなく行って下さったので、阪大に慣れてらっしゃる。だから、病院に届けてくれるんじゃないかと、かすかな望み。しかし、一か月が過ぎても出てくる気配がない。
諦めかけた、5月の初め。父から電話。
「おい、コート、出てくるぞ」
へ?
なんと、父がまた阪大病院に行った帰りに乗ったタクシーが、同じ個人タクシーさんだったのでした!
「あれ?お客さん、前に乗られた方では?」
コートは、そのまま預かってらしたとのこと。後日、阪大病院に届けていただき、父が引き取り……今度実家に行ったら無事に手元に戻ってきます。
ご縁がなかったものと諦めるしかないな、と思っていたところに、まさかの出来事。まだ、千賀さんとのご縁は繋がってる。そんな気までするのでした。