川島むーのお茶祭り日記

お茶祭り企画代表、川島むーの心に映り行くよしなし事を、あれこれと

六本木で心中

 ♪ちょっと場末の シネマして〜るね♪

 …だから、六本木心中じゃなくて…

 昨日の夜は六本木で、千賀ゆう子さんの語り「曽根崎心中」を拝見してきました。

 良かったな〜。4時間に渡るフォーラムの後で、語り。寝てしまったらどうしよう、と言うのは杞憂でした。約1時間の語り、堪能しました。

 あぁ、こんなに鮮やかに情景を描写した言葉だったのね、と改めて近松の言葉に感じ入り、そして、それを語りで見せる、魅せる千賀さんに心が震えました。
 そこには間違いなく千賀ゆう子さんと言う女優が居るのだけど、何て言ったらいいのかな、その瞬間、そこに居るのは確かに徳兵衛であり、初であり、その存在がす〜っと立ち上がる。九平次の憎たらしさ、徳兵衛の情けなさ、初の切な。心の動き、ちょっとした仕草まで見えてくる語り。まっすぐに言葉に向かっているからだろうな。

 9月の公演を前に、きゅっと気が引き締まったわいなぁ。

 それにしても、あれだな、この作品の所為で心中が流行ってしまったと言うのが判る気がする。でも一方で、なかなか刺せない、刺した後の無残さも感じる訳で、それでも真似するの?と思ったのでした。
 曽根崎心中に接するたびに思うのだが、女の足首を自分の喉に当て、思いを伝えるて、どこから思いついたんだ?あのシーンは、歌舞伎より、文楽の方が色っぽいわね。