川島むーのお茶祭り日記

お茶祭り企画代表、川島むーの心に映り行くよしなし事を、あれこれと

建礼門院

 長楽寺は、平家の生き残り、建礼門院(清盛の娘、安徳帝の母)が髪をおろしたお寺。
 そんな平家ゆかりのお寺で行われる、女優、千賀ゆう子さんの平家語り『建礼門院』。
 もう、ねぇ、去年も拝見したのですが、この人の愛らしい声はどこから出るんだろう。壇ノ浦を語る厚みのある声と、女御の声とが瞬時に入れ替わる。厳しさと柔らかさ。はぁ、70代とは思えません。
 去年は全体を見ていた気がする。今回は、じっくり細部を味わった感じ。いや、だから、最前列に座ったのは私の意志ではなく〜。千賀さんと目が合いそうで、少し後ろに座ってたのに、「せっかくなんだから、いい場所で見なさい」と押し出され……お陰で、今西香雪さんの箏もじっくり。時に、弓で弾く箏の音は、別の楽器のように聴こえるのでした。

 去年は、語りの中で鷺が登場するときに鷺が庭に舞い降りると言う奇跡。
 今年は、蝶がひらひらひらひら。うう、平家の紋は蝶紋ですよ。平家の魂が寄って来たような。この季節なら、このお庭に蝶は来るだろうと思いつつ、なんとも、タイミングよくひらひらするもんだから……
 そして、音響さんがいるんですか?と言いたくなるくらい、絶妙なタイミングでカコーンと響く、鹿威しの音。
 
 と言うことで、これが最後になるかもと言う、長楽寺での千賀さんの語りを堪能したのでありました。

 終演後、ご挨拶に。
「怖い客が一番前にいるから〜(笑)」
 って、だから、最初そこの席は私は遠慮してたんですよ〜。こちらこそ、怖い女優が目の前にいるから〜で、目が離せませんでしたよ。

 と言うことで、写真。



 この初夏のお庭から念仏の声が聴こえ、比丘尼姿の千賀さんが語りながら姿を現すのです。
 比丘尼が池に投げ込んだ、お花。






 終演後は、長楽寺散策。