川島むーのお茶祭り日記

お茶祭り企画代表、川島むーの心に映り行くよしなし事を、あれこれと

思い出

 維新派を最初に観たのはいつだったか。
 大学に入って、芝居を始めて、部屋の壁には気になる芝居のチラシを貼りまくってたなぁ。そんな一枚が維新派、ちょうど、日本維新派から維新派に名前が変わった頃か。
 それから実際に観に行くまではちょっと間があったけど。
 あれは何度目の観劇だったか、南港での野外劇『王國』。舞台に林立する丸太。オープニング、野外での暗転。明かりがつくと、丸太の上に立つ役者たち。足を踏み鳴らす姿に圧倒された。
 雨の中、合羽を着ての観劇も、防寒重ね着に更に日本酒片手の観劇も、屋台村、そこで繰り広げられるライブも楽しい思い出。高校でのやんちゃ生徒の名前をチラシで観たときの驚き。そんな思い出も。
 引っ越してからも、琵琶湖に行ったり、阪大でのパフォーマンスを観に行ったり。台風で吹っ飛ぶかとヒヤヒヤしながら帰って観た中之島公演……
 あの世界で生きてみたいと思ったこともあったけど、アトピーを抱えた私には、ハードルが高すぎて、だから、客として純粋に楽しむことにした劇団でもあった。

 ああ、もう、あの周りの空間、前後の時間ひっくるめての愉しさ、あの祝祭空間をどんな言葉で伝えればいいのだ。
 大阪に戻る楽しみが、ひとつ、消えてしまった。


・2008年 『呼吸機械  《彼》と旅をする20世紀三部作 #2』@琵琶湖水上舞台
・2009年 『ろじ式』@にしすがも創造舎  屋台村ライブステージ




・2009年 阪大総合博物館企画展『維新派という現象「ろじ式」』
 彼との邂逅。
 博物館前でのパフォーマンス
・2014年 『透視図』@中之島 屋台村の賑わい


 維新派の公演は、いつだって台風との闘い。それはチケットを買う観客にとっても。自分が買った日に、台風が来ませんようにと、祈る思いで大阪に帰ったのでした。