写真美術館にて、「荒木経惟 センチメンタルな 旅 1971– 2017–」展を観る。
十数年前に参加させていただいた「大阪の顔1000人」での出会いは、今も鮮明。記念品のニャラーキーストラップは、カメラにぶら下がっていてすっかりボロボロですが……
会場は撮影オッケー。でも、あの写真を正面切って写し取ってくる気にはなれなくて、文字と遠景を数枚だけ収めてくる。
「でてくる顔、でてくる裸、でてくる私生活、でてくる風景が嘘っぱちじゃ、我慢できません」
ここを、何度も繰り返し読んでしまう。
陽子さんとの時間は、なんと刺激的で穏やかな時間だったのだろう。
歳を重ねて30代、40代の陽子さんの美しいこと。
最期の時、最後の時間、それさえも撮ってしまう、撮るしかない、作品になってしまう写真家の生き様。
「食事は、死への情事だった」
この言葉と共に並べられた写真。これ見てると、インスタ映え?くそっくらえだ、と呟いてしまう。生々しいこれらの写真は、正視していると苦しくなる。綺麗じゃない。でも、たまらなく強く美しい写真だと思う。
アラーキーは、やっぱりすごいな、と思う。