川島むーのお茶祭り日記

お茶祭り企画代表、川島むーの心に映り行くよしなし事を、あれこれと

若い、芝居 その2

 土曜日、先日参加した公演と同企画の公演を観にいった。
 舞台セットは、檻。客席はその中と外のどちらかを選んで座る、というのが売りの一つ。相方と私は「やっぱり中やろ」と、いそいそ閉じ込められる。
 『夢魔』は、面白かった。動きが綺麗に決まっていて、台詞を複数の役者の分割しているのも面白く、一つの役の複数の顔が見えてくる。次はどう展開する?と飽きさせない。リーディング公演でも面白いなと思っていたのだが、なるほど、そうしましたかと楽しむことが出来た。
 ただ、そのあとの『孤児の処置』は、どうだろう。自分達もやったから、観る目が厳しくなるかもしれないが。
 まず、せっかくの檻の中と外というセットが生きていない。前作であれだけ効果的だった檻が、不要に思えてしまった。
 同じセットで一続きに上演する。ならば、前の作品とつなげるのかと思った。夫を亡くし息子を人に預けていると言う前作の未亡人が、こちらでの赤ん坊を手放す貴婦人になるのかと期待したら、あら、違ったのね。まぁ、これは、こっちの勝手な好みだな。
 しかし何というか、演出の思いを隅々まで行き渡らせるには、そもそもの台本の世界が広く、登場人物も多すぎたのかな。演出も、そして何より役者が、その世界を背負いきれなかったのか。エロっぽいことも、ちょっとやってみせて終わった、という感じであった。エロはね、やるなら恐れずやってくれないと、中途半端はこっちが恥ずかしくなる。役者が全体に若かった。それゆえか?
 何人か、目を惹く役者さんもいたのだが…。惜しいな。

 金・土の二日連続で、微妙なフラストレーション。10代20代の芝居に、出来れば私は、圧倒されたいよ。30代では出来ないことが絶対ある。こっちが「負けてられない」と奮い立つような芝居を観たい。これも、こっちの勝手な思い込み?

 …などと書いていたら、「私たちも若かったよ」と言う台詞が、相方の見ているドラマから。あ〜びっくりした。しかし、橋爪功さんは、かっこいいなぁ。やっぱり、好きな役者さんだわ。