川島むーのお茶祭り日記

お茶祭り企画代表、川島むーの心に映り行くよしなし事を、あれこれと

『廃業(仮)』を覗いてみれば

 『廃業(仮)』がどんなお話だったかと言うと・・・

 舞台は舞台裏。・・・つまりは客席から見えているのがセット裏で、その向こうに舞台と客席があるらしい。そして、その舞台裏にはしばしば「上手ちゃん」なる幽霊が現れる。上手とは客席から見て右手。つまりこの芝居の場合は客席から見て左が「上手ちゃん」出現ポイントとなる。

・・・ちょっとややこしい。初日の日記にも書いたが、客入れ時に、さりげなく「え〜舞台用語ではお客様から見て右側を上手、左側を下手と言いまして。」と喋っている座長。ははは。

 その出現ポイントに現れたのは、廃墟探索(?)にやってきた二人の少女。どうやら、二つの違う世界がリンクしてしまっているようで、彼女達の世界では演劇は既に滅びている、と言うか子供がやるものになっているらしい。
 が、そうこう言っているうちにも、舞台では次々とトラブル発生。訳が判らないままに巻き込まれていく二人。やがて明らかになる事実は?


 ま、ざっくり言えばそんなお話。

 私は、そこで行われているらしい演劇「ラブ オブ キャサリン」に出演するただ一人の女優キャサリン(ん〜、私だけ、最後まで本名があらわれなかったわ)。主役のビリーがピストルを忘れて変なもの出すし、金髪のかつらがセットに引っかかって天井に飛んでいってしまうし、代わりにかぶせられたのはありえないかつらだし、衣装は無意味に変わるし・・・とまぁ、そんな役柄でございました。


 で、まぁ、衣装ですわな。いきなり、ピンクのロングドレスで歌いながら登場。次の登場は、・・・セー○ー服。最後はナー○服。3着目はね、2劇ではお馴染みのアイテムで(何の違和感も無く着れた。キャップもささっと形を作り・・・)、当初から予定されていたのだが・・・2着目は、さすがに・・・。このアイデアを聞かされたときは「それって、犯罪やと思いますよ。」と言ってしまった私。
 若い劇団員達は「似合ってますよ〜。」と言ってくれていたが、同期でもある照明さんは容赦無く「あかんやろ〜。」そらそうだ。
 ま、出オチ3連発。3発目はヴォイスパフォーマンス付きやったし。いままで無かった経験。唖然としている客席に、ちょいと快感。こればかりは、稽古場ではつかめない感覚。実際のお客様を前にして、キャサリン役は出来上がりました。お客様に感謝。


 大人たちが若者の前で力いっぱいアホな事を真剣にやっている姿を見せる、と言う芝居。それは、2劇座長の芝居への思いでもあるんだろうなぁ。メッセージ的なことはストレートに出したがらない座長だが、今回はちょいと出して見せましたかね、お客様に対して。
 このウイングフィールドと言う場所で、今でないと出来ない芝居。いい瞬間に立ち合わせてもらったなぁと、ここで育ててもらった役者の一人としては、感慨深かったのでした。