川島むーのお茶祭り日記

お茶祭り企画代表、川島むーの心に映り行くよしなし事を、あれこれと

『廃業(仮)』のお遊び

 演劇はactではなく、playである。

 と、改めて思った今回の公演。私の芝居に対するあり様の基礎を作ったのは、やっぱり2劇なんだよなぁ。

 と言うことで、2劇の遊び心拝見。

 劇中では、表の舞台で行われている(はずの)「ラブ オブ キャサリン」にトラブルが続発する。その一つが「客席にジャス○ックが来ている!」と言うもの。演劇関係・音楽関係の人にはピンと来る。あるいは、つい数日前にもその名が新聞記事になっていたはずなのでピンと来た人もいたかも。そうでないお客様は、巻き込まれた少女達と同じ目線で「何か判らないが、音楽関係でややこしい事を言ってくる人がいるらしく、それは演劇にとっては困った事らしい」と言う理解となる。
 で、まぁ「客席にJASと言うマークの入ったジャンパーを着たサングラスの男が居る」と言うことになるのだが、はい、ごく一部の方だけが気が付いています。実際の客席に、居たんですね〜。背中にでっかく「JAS」と縫い取りのされたジャンパーを着たサングラスの男が。別に何をする訳でもなく、ただ居るだけ。それだけ。気が付いた人が「あれ?」と思うだけ。そのために、本番前の忙しい楽屋でジャンパーに縫い取り小細工をしていたのですね。こんなあほな事を一生懸命やる2劇は、正しく演劇を遊んでます。

 当日お客様に配るパンフレットは、『ラブ オブ キャサリン』のパンフレットと言う体裁。(サブタイトルが〜哀しみと裏切りのヨーロッパ通り〜*ウイングのあるあの通りにはヨーロッパ通りと言う別称があります。)同時上演が『廃業(仮)』。キャスト紹介に、約一名隠れた名前。これはチラシと較べてみれば誰か判ります。

 いや、しかしね、何が可笑しいって、この劇中劇のタイトルは当初台本にはなかったのですよ。当日パンフ編集者が劇中劇のパンフの体裁にしたいからタイトルを考えて、と言い出して決まったのがこのタイトル。作家がちゃっかりそれを拝借して台本に反映。この垣根の低さが、2劇らしさ。

 でもって、次回公演は・・・「未定」(仮)。も〜、ほんまにこのまんまのタイトルになるんやないやろか、と思ってしまいますよ。


 さて、演劇とはplayである。と同時に私が思うのは演劇とは祭りであると言うこと。
 と言うことで、次はお茶祭り。チラシも出来て、さぁ、新たなスタートです。

 いや、そのまえに「こころの温泉」だよ。