川島むーのお茶祭り日記

お茶祭り企画代表、川島むーの心に映り行くよしなし事を、あれこれと

青むし

 ……いや、その略し方はどうなのでしょうか……

 楽園王「青森県のせむし男」を見に行く。
 現代の著名な劇作家の作品を一本取り上げて、その戯曲だけを連続で上演する「現代劇作家シリーズ」。この企画、面白いなぁと思う。同じ作品が演出によってどう変わるか。2本立てで見る事で、その戯曲自体にも「ああ、そういうことか」と思わせてくれたりもする。

 と言う事で、その第4弾は寺山修司の「青森県のせむし男」。1日2団体、合計10団体が上演する。
 実は、寺山修司作品はちょいと苦手意識がある。と言いつつ、寺山の片腕とされる岸田理生作品には千賀さんのところで出演している訳で……。ちょっと迷いつつ、楽園王だから大丈夫と妙な確信を持って観に行く。行って正解。ストンと落ちてくるものがあって、素直に楽しめたのでした。
 言葉がクリアに届いてくる。で、楽園王だな。視覚的に美しい。立ち姿、動き。役者が自分の身体に意識を持っていることの大切さを改めて思う。
 ああ、でも思ってしまう。出たかったなぁ、と。同時に思う。私はあそこであんな風に立てたか、と。大胆さと繊細さ。ちょっと口惜しくもある。

 そんな風に思える事も含めて、行って良かったです。