川島むーのお茶祭り日記

お茶祭り企画代表、川島むーの心に映り行くよしなし事を、あれこれと

12年

 あさくさ劇亭の近くには東本願寺がある。

 15時からの開演前、楽屋にいると、鐘の音が響いてくる。あれ?ここで鐘の音を聴いたことあったっけ?と思ったら、そうか、時間だ。
 しばらく鐘の音が続く。賑わいの戻ってきた浅草に、静かな鐘の音、悼む音が響く。

 12年前の春、関東暮らしも慣れて色々動き出していた。

 初めての楽園王出演、しかも『楽屋』。その稽古が本格スタートするのが、12年前の今日。ソワソワとウキウキとが混じった気分で、稽古に出掛ける準備をしていた。実家からは何やら箱が届き、中には「いかなごの釘煮」も。
 すべてが一変する、少し前の自分を思い出す。
 公演は中止になったけど、その後も楽園王とのご縁は続き、大阪に戻る前にはやり残していた「楽屋」上演。今は、東京公演の舞台監督兼照明でがっつりサポートしてもらっている。
 そんなことを思う、東京公演中日です。