川島むーのお茶祭り日記

お茶祭り企画代表、川島むーの心に映り行くよしなし事を、あれこれと

清流劇場『ファッツァー』@AIホール(観劇日3/6。感想は一週間後に書いてます)

 舞台は第1次世界大戦のさなか。脱走した4人の兵士。革命が起こる事を期待し、女の家に潜伏。皆から頼られるファッツァー。けれども、皆が期待した食料の調達に失敗。利己的な性格、仲間の妻を誘惑したことなど、仲間からの信頼を失っていく。兵士4人と1人の女の閉塞空間、待ち続けていても民衆は放棄せず、革命は起きない。飢えと絶望の中、ファッツァーは仲間の手によって殺される。
 と、あらすじはこれであってるかな。ブレヒトの未完の戯曲。
 色んな意味で、大変な芝居やったなぁと。生演奏、歌、ライブで投影される画像。傾斜のきつい舞台。色んな事を試みながら、この難解な物語と格闘している。
 そう、格闘。
 役者たちが格闘している。リアルではない舞台・衣装・台詞をリアルにするための格闘。痛み、飢え、いらだちを立ち上がらせるために。
 その格闘が、物語の人物たちの格闘つまりは葛藤と重なって行く、そんな舞台だったな、と一週間たって振り返りながら思う。
 だから、もったいないなぁと思う。三日間5ステージかぁ。公演を重ねる事で、もっとクッキリ立ち上がって来る舞台、そんな気がしたのでした。

 舞台写真がこちらで観れます。http://seiryu-theater.jp/archives/2105 

 ファッツァー役の林英世さんは素敵だな、と。小さな体で、がっつり舞台を背負っていらっしゃいました。
 あと、久し振りに西田政彦さんを観れたのが嬉しかったりしたのでした。「マッサン」に楠見さんが登場し、久保田さんが登場してテンション上がっていた遊気舎好き。舞台での西田さん、どきどきしながら観ておりました。