さて、昨日は台風の中、学童へ。
戸塚駅まで車で迎えに来てもらえたので、なんとか小道具や衣装を運び込む。
午後、いよいよ、宮沢賢治「クンねずみ」のひとり語り芝居。子供を対象としてやるのは初めて。いきなりこの話には入れないよなぁ。さてどうするかとあれこれ考えて、用意して。
始める準備をしている時に、インタビューしてもいいですか?と取材ごっこをする子がいたのが、面白し。はしゃいでくれているだけに、いやぁ、今日のはちょっと厳しいラストなんだけどね。と思うのでした。
前半は♪星めぐりの歌♪でスタート。ええ、歌いましたとも。冷や汗ものでしたわ。一度、お茶祭りの公演で歌ったけど、その後は封印していたんだが……。
星座の図(色画用紙に丸シールで作ったよん)を見せながら歌って、つかみはまずまず?
そして、色んなところで賢治作品に出会ってるよの話。
つい最近、「コクリコ坂」をテレビでやってたし、「平成狸合戦」は家にDVDある子がいるし、「シン・ゴジラ」も見ている子がいるし、なかなかいいタイミング。何冊かの絵本も紹介しながら。
「雨ニモ負ケズ」は「日本語であそぼ」などで知ってるのかな。「ああ、あれ」と言う反応多し。
いよいよ、可愛くねず耳とねずしっぽを装着!
思った以上に、集中してました。猫大将登場の「その時、みんなの後ろの方で……」のところは、ふと思い付いて、読み方を意識。思わず後ろを振り返った子が何人か。よっしゃ。
まぁ、さすがにあのラストは、……大人は一瞬間を置いて笑ったり拍手したりだけど、子供は……
しばし、シーン。
「え?ねずみ、死んじゃったの?」
想定外のラストにどぎまぎしてました。やっぱり、ちょっとシュールよね。今週、もう一か所の学童でもやるんだが、さて、どんな反応があるかな〜。
終わってから、しばし、ねず耳つけたり、カリンバならしてみたりするこどもがいたり、持ち込んだ、絵本や漫画を読む子がいたり。
さて、どんな風に彼らの心に届いただろう。
いますぐでなくて、いい。ここで、宮沢賢治に触れたことが、いつか、ふっと蘇ってくれればと思う。改めて、宮沢賢治が童話集『注文の多い料理店』の序文で書いていた言葉を噛みしめる。
「ですから、これらのなかには、あなたのためになるところもあるでしょうし、ただそれっきりのところもあるでしょうが、わたくしには、そのみわけがよくつきません。
なんのことだか、わけのわからないところもあるでしょうが、そんなところは、わたくしにもまた、わけがわからないのです。
けれども、わたくしは、これらのちいさなものがたりの幾(いく)きれかが、おしまい、あなたのすきとおったほんとうのたべものになることを、どんなにねがうかわかりません。」
うん、まさに、そういうこと。
で、こう言う文章を読むたび、やっぱりこの人は詩人なのだなぁと思うのです。