川島むーのお茶祭り日記

お茶祭り企画代表、川島むーの心に映り行くよしなし事を、あれこれと

六本木で心中

 六本木で心中と言うと、つい、アン・ルイスの声が聴こえてきてしまいますが……。
 
 千賀ゆう子さんの『曽根崎心中』を聴きに、六本木のストライプハウスギャラリーへ行きました。
 千賀さんの語りを聴くのは久しぶり。 約一時間の語り。素晴らしかったです。
 古典の言葉の美しさと、千賀さんの語りの力が相まって、集中して聴き入った1時間でありました。
 引っ越し前に、聴けて良かったと、しみじみ。
 もう、ね、お初がなんとも可愛いのです。愛らしいのです。
 ゆったり語るかと思えば畳みかけ、天満屋を抜け出すところでは手に汗握り、心中の場面の生々しさと美しさの混ざり具合に胸を締め付けられ。
 そうなんだよなぁ、人形浄瑠璃と言っているが、もともと、浄瑠璃と言う語り芸があって、それと人形芝居が結びついて今の形になっているわけで、だから、本来、語りで聴かせるもの。その魅力にも改めて感じ入ったひと時でした。

 楽士が箏の今西玲子さん。スタッフに清水君、ぼっこさん。客席には、あゆみちゃん、ひらさん、草野さんもいて、なんだか座・高円寺での『平家物語』の同窓会だねと笑い合う。稽古中は、ほんとしんどかったし、何度も逃げ出したい思いに駆られたけれど、いい作品に参加出来たんだな、と言う思いもあるのです。

 千賀さんはこの後、11月、12月、来年2月、4月とストライプハウスで公演予定。
 特に、12月は『平家を語る』、2月は『安吾を語る』です。語りをされている方、おすすめです。

 それにしても、千賀さんがストライプハウスを拠点のひとつとされているのも、なんとも奇遇だなぁと思う。
 何度も書いているけれど、千賀さんとのきっかけは、インプロつながりののんべさんのお薦めがあったから。ZULUさんとのきっかけは詩のボクシング、楽園王・長堀さんとのきっかけはトリのマーク。と、それぞれ別のきっかけだったのに、3人が繋がっていると知った時のびっくりったらもう。
 で、その、トリのマークは20年前の東京修業時代にたまたま観に行ってはまった訳だけれど、その時の会場がストライプハウス美術館。 今のストライプハウスギャラリーだったのですよ。

 ご縁の糸は、すでに張り巡らされていた感。いやはや。