川島むーのお茶祭り日記

お茶祭り企画代表、川島むーの心に映り行くよしなし事を、あれこれと

言葉の使い方

 西と東の違いは、言葉そのものというよりは、話す時の息の使い方や間の取り方なんだろうな。東のお人が関西弁を「きつい」と思うように、西の人間には関東弁(標準語、とはちょっと違いますね。語彙とか語尾とか、多分、息の乗せ方も)が「きつい」と感じてしまう。だから、ほんまのところ、嫌な人が居るわけではない。むしろ、皆さん親切よ。

 だから、これは西と東の違いというよりは、多分、現代の都市の問題、なんだろうけれど…。


 とある百貨店にて、何かおやつを買って帰ろうとウロウロ。あるお店の店頭に、籠に盛られた桜色のお饅頭。「桜餡饅」。美味しそうだ。二つ手に取る。すかさず店員さんが言う
「蒸かしまんですけどよろしいですか?」
 言っている意味がわからず、聞き返す。
「蒸かしまんなんですけど。」
 この場合、言葉がきつく聞こえて泣きそうになるのは私の耳が関西人だから。だから、そこは割り引くとしてもだな…。
「え〜っと、どういうこと?」
 ここでようやく
「蒸し器で蒸かしていただくものなんですけどいいですか?」

 あ〜、なるほどね。でも、その言い方は、客はそのまま食べるお饅頭と間違えているに違いない、という前提に基づいていませんか?蒸かしまんだと思って手を出した人間には何を問われたのかわからないし、そんな前提で聞きたくなる位に誤解する人が多いなら、判りやすくその旨を書いておけばいいのではないかね?(まぁ、形はいわゆる蒸かしまんの形なんですが。)
 なんでこっちが「それでいいの?」と、手を出したことが間違いであるような言い方をされねばならんのだ。誤解して手を出したお客さんは、とても寂しい思いをするのではないかね?と言うか、誤解している人は、いきなり「蒸かしまん」と言われて、すぐにピンと来るのだろうか?

「こちら、ご自宅で蒸かして食べていただく形になりますが、よろしいですか?」

 と、最初から、文章で聞けばよいではないか。

 最近、時々こういうことがある。文章で言えばいいことを、単語で済ます。省略してしまう。自分達のわかっている言葉で言ってしまう。それが判らない相手がいけないのだと言わんばかり。あるいは、文章であっても、決められたことは言うがそれ以上の説明が出来ない。伝えよう、と言う意思が感じられない。
 聞き返すということは、聞き取れなかった、あるいは意味が通じなかったと言うことなのだから、同じ言い方で繰り返しても無理なのになぁ。

 大阪は、多分、商人の町としての色がまだまだ濃いから、そういうことが少ないのかもしれない。世の中が都市化して、人と人とが(他人同士が)関わりを避けるようになると、こうなるのかな。う〜ん、そんな世の中は嫌だな。


 
 と言うことで、今日もめげずに会話を試みる。

 ピンポ〜ン!
 新聞屋さんが集金にやってくる。扉を開けると、どこからか夕餉のいい匂い。
「うわぁ、ええ匂いやね。何焼いてはるんやろ。」
「2950円です」(めっちゃポーカーフェイス)
 あ〜、はいはい。無駄なおしゃべりはしないんですね。はい、ご苦労様でした〜。次からは口座振り替えにするかなぁ…