川島むーのお茶祭り日記

お茶祭り企画代表、川島むーの心に映り行くよしなし事を、あれこれと

ネグレクト

 子供の命が奪われるニュースは、胸が痛い。なぜ、そんなことが起きてしまうのか。
 殺すなら産むな!と言う人が居る。殺すために産んだ訳ではないだろうに。
 育てる覚悟が無いなら産むな!と言う人が居る。覚悟をもって産んでも思った通りに行かずに、と言う人も居る。産んでから覚悟を持つ人、育てる事で親として育っていく人も居る。
「ママも1歳。パパも1歳。」
 そんなCMがあったな。

 この前出演した『オセロ。』は、実は、ネグレクトもテーマの一つだった。私の役以外は、そのことを意識せずにやっていい役なんだが、私の役は「医者」。ネグレクトで子供を死なせてしまった女に対峙する役。自分が何をしてしまったのかも判らなくなっている女に、何とか、それを見せようとしている役。
 だから、11月は、図書館で虐待に関する本をあれこれ借りていた(10月に平家物語関連本ばかり借りていたので、司書さん的には指向がよく判らない人になってますな)。

『ネグレクト 育児放棄―真奈ちゃんはなぜ死んだか』杉山春 小学館

 苦しかった。きつかった。それでも、これは、ただ死なせてしまった親を非難すればいい問題ではないのだと思う。とんでもない罪を犯してしまった親。そこに同情の余地は無い。それでも、なぜ、そうなってしまったのか。実は、真奈ちゃんを救える(それは同時に両親を救う事でもある)機会はあったのに、なぜ、見過ごされてしまったのか。
 重い、重い、一冊でした。