川島むーのお茶祭り日記

お茶祭り企画代表、川島むーの心に映り行くよしなし事を、あれこれと

『鬼に関する考察』

 この詩は、ほんとに、初期の作品。はじめて詩のボクシング大阪大会に参加した時の、予選で詠んだのでした。そこからの道のりを思うとびっくり。まさか、一度は書くことを諦めた詩に、こんなに関わる事になるとは。

 それはそれとして、鬼の詩。もともと、鬼と言う存在が好き。小松和彦先生の本とか、もう、えへえへしてしまいます。マイム仲間とやった公演での作品は「鬼遊び(おにごっこ)」。実は、その時のイメージが基になっている詩でもあります。何度か手を入れて、これは2012年版です。

 鬼に関する考察 
    ―節分に寄せてー

「もう いいかい?」
「まぁだだよ」
「もう いいかい?」
「もういいよ」

そう言うから行ったのに だ〜れもいない

「鬼さんこちら」

そう呼ぶから行ったのに 蜘蛛の子散らす

絵本の中の赤鬼は 親友の青鬼の犠牲的精神で
村人と仲良くなるが
無二の親友失った

それになぁ
ひとたび 村に災い起これば
後ろ指さされ 石もて追われるのは
赤鬼、あんたや

今宵、節分 鬼やらい
窓明ければ
鬼を追う子らの声 ぱらぱらと豆の音
闇に目を凝らせば 
逃げまどう鬼達の姿

風が、冷たい

今宵、節分 せやから私は
せめて、こう言おう
そう言う地域もあるんやとか

「鬼は〜 うち」

「鬼は〜 うち」

「鬼は〜 うち」



……うちは……鬼……