川島むーのお茶祭り日記

お茶祭り企画代表、川島むーの心に映り行くよしなし事を、あれこれと

読了「みをつくし料理帖」7・8

 「ひるブラ」、常滑焼の急須を扱っている。早めに出掛けようと思ったのに、出るに出られぬ昼時でございました。

 さて、読了ネタ。
 高田郁さんの「みをつくし料理帖」シリーズが好き。昨年完結。常ならば、一気呵成に読んでしまうのだが……この世界がいとおし過ぎて、終わるのが勿体なくて、意図的に、すぐに追い付かないようにしていた。一冊読みおわったら、すぐに次は買わないと決めていたのだ。

 が、今回は無理でした。

 7巻目の『夏天の虹』は、大切な登場人物の一人が亡くなってしまうと言うラスト。つる家の人達と一緒に悲嘆に暮れてしまう。あかん、このままでは日常に差し支える。次の巻は皆が立ち直って行く物語のはず。慌てて8巻目『残月』を買う。

 ああ、良かった。皆が前を向き、物語も大きく動いている。ほっとひと息。
 って、澪さ〜ん、摂津屋さんに聞かれたと思うで〜と誰もが突っ込みつつ、次巻に向かうのだな、これは。

 基本的に、登場するのは物語上の架空の人物達。その中で、一人、モデルがいるのが戯作者の清右衛門。わがままだし気難しいし食いしん坊だし……でも、巻を追うごとに、この人の根っこにある温かさが出て来るなぁ。犬の物語やら源為朝の話を書いている戯作者って、そりゃあ、どう考えても滝沢馬琴。大阪で起きた大洪水の被害の様子を見ていると言うのも実話。ちょいとマニア心をくすぐってくれます。
 と、『残月』では、もう一人登場。清右衛門先生の為朝の話の挿絵を描いた絵師の辰政って、部屋が汚れたら引っ越すって、それは、それは……どう考えたって、モデルは北斎。好きな作品に好きな絵師が登場することの嬉しさよ。

 ああ、なんか、このままあと2冊も読み切ってしまいそうだ。
 いや、その前に、さて、どの料理をやってみようかしらね。
 こぼれ梅(みりん粕)を手に入れたいです。