川島むーのお茶祭り日記

お茶祭り企画代表、川島むーの心に映り行くよしなし事を、あれこれと

維新派のこと

 7/16(日)は、維新派観劇。久しぶりの維新派観劇が、野外でなく劇場ってのがちょっと残念。でも、劇場で何をするんだろうと興味津々。

 チケットを持って出るのを忘れて取りに戻るというハプニングもありながら、なんとか到着。勝手に地下だと思い込んでいた私。あれ?違う公演やってると思ったら、メインホールだったのか。慌てて地上へ。よく考えたら、私はA席購入、3階席。そりゃ、でかいメインホールでしょ。
 実は、こっちに入るのは初めて。ロビーの椅子からして違いますがな。うむむ、維新派のイメージとあまりに異なる佇まい。劇場に入れば、またゴージャスな雰囲気で。はぁ〜。
 3階席は、高所恐怖症にはちょっとくらっとする高さ。一番前でなくて、良かったかも。

 開演。上からは、内橋氏ボックスが見えて面白い。どっかりとしたセットを見ると、なぜ、メインホールでやるのかがわかる。動員の問題ではなく、セットの問題だな、こりゃ。これだけのものを組んで、しかも自在に動かそうと思ったら、そりゃ、大きな舞台が必要だわね。
 劇場だからこそクリアに浮かび上がる影、響く足音。野外でないことで出来ることを盛り込んでの維新派。でも、ちょっと情緒的過ぎたか?途中で眠気に誘われる。アンコールでの音量、動きのダイナミックさに、その思いを強くする。

 と思ったら、松本氏御本人が、そのようなことを仰っていた。そう、この日はアフタートークがあったのだ。そんなオマケがあるとは、行くまで知らなかったので、かなりラッキー気分。ゆったり喋りはる松本氏の飄々とした雰囲気は、魅力的。「僕ばっかり喋ってもね。」「客席に知ってる人おるから指名するね。○○さん、おったやろ。」と、自ら指名。持って行き方上手いなぁ。そこで厳しく駄目出しされると、「いやぁ、ほんま、すんません。」流しているようで、受け止め、で、何故か客席もなごむ。う〜ん、お人柄ってやつですかね。

 維新派は、芝居じゃない!嫌いだ!と言う人も居る。そういう人の気持ちもわからなくは無いが、私は、好きなんだな。愛おしい気持ちになる。維新派で常に聞こえる「お〜い」という呼び声を聞くとゾクゾクする。つかめないものを求める切なさ。ここにいるよ、という迷子の寂しさ。子供の頃に抱えていた漠とした思いが甦る。その声が響いた瞬間に、すっぽりと維新派ワールドにはまってしまうのである。
「東京公演は?」
という客席からの質問に、「もう、ええですわ。」「田舎もんがわざわざいかんでも、東京の方、来てくれはるから。」なんでもかんでも東京、というのに疑問を持つ立場としては、良いではないか、それで、と思う。大阪でないと観れない。そういうものがあって、良いではないか、と思う。
 これから、東京暮らしになろうという私は、大阪に観に帰ってこないといかんね。