川島むーのお茶祭り日記

お茶祭り企画代表、川島むーの心に映り行くよしなし事を、あれこれと

ねずみの思い出

ochamatsuri2008-01-09

 今年はミッ○ーの年賀状が増えるのか?と危惧したが、例年並みでした。一枚、ちょいと人相の悪い作品があって、笑ったが。
 トッポ・ジージョが無かったのが個人的には残念。 ねずみキャラとしては、奴の方が、好きである。

 さて、写真の夫婦ねずみは、前のねずみの年に買ったもの。東京で役者修行をしていた頃で、下北沢にお気に入りのお店があった。
 「セラミック ブルーヒルズ」
 焼き物、陶器のお店。若い作家さんの作品を、オーナーさんが買い付けてきているらしいのだが、これが、かなり私好み。値段は作家さん自身がつけるので、かなりばらつきがある。つまりは、私にとってもお手頃なものもあったのだ。
「あ、これいいな。」
 と、黄色い器を眺めていると、
「黄瀬戸ね。それに目をつけるとは、なかなか渋い趣味ね。結構、見てるじゃない?」
 と言うようなことを言われた。
「そ、そうかなぁ。」
 と言いつつ、これは、心をくすぐられた。

 祖父が趣味でロクロを廻していたので、でもって骨董趣味もあったので、器を見るのは好きだったのだ。(・・・目利きに関しては、まったく自信無し。)
 考古学に興味を持ったのも、祖父の影響が多い。発掘調査で掘り出した土器を手にした時の感触は、今も忘れられない。古代の工人の指の跡と、自分の指の跡が重なった時の感動。大学卒業して一人で九州旅行をしていた時も、ふらりと立ち寄った窯元さんのところで窯を見せてもらったなぁ。

 で、まぁ、そんなこんなで、下北沢に行くと、たいてい、ここに寄っていた。
 一人暮らしの部屋を彩ってくれたのは、ここで買った器に活けた、野で摘んだ花。
 知人への贈り物にお湯飲みをと思ったのだが、好みと懐具合がうまく合うのが無くて悩んでいると、
「ちょっと待ってね。全部を出してる訳じゃないから。」
 しまってあるものを、あれこれ引っ張り出してくれたっけ。その中に、これだ!と言うのがあったことも嬉しかったけど、一緒になって真剣に探してくれる事がとても嬉しかったっけ。

 さて、この夫婦ねずみ。大きさは親指の爪ぐらい。作家さんが、お皿作りの合間に、ちょちょっと作ったものだったかな。これが、いくつも棚に並んでいた。それぞれ、少しずつ表情が違う。
「好きなの持って帰っていいよ。」
「え?いいの?」
 可愛いけれど、意外に売れなかったらしい。お言葉に甘えて、じゃ、この子をと連れて帰ったのだ。

 オーナーさんが体調が良く無いと言う話を聞いたのは、大阪に戻ろうとしている頃だったかな。

 その後、2劇の東京公演で駒場に滞在していた折に立ち寄ってみたが、既に、違うお店に変わっていた。前のお店がどうなったのかと言う情報も無し。かなり、がっくりして、だから、今も心の隅に引っかかっている。あのお店以上に気に入るような器のお店にも、出会えていない。