モトキキカク『蘇る魚たち』を観てきました(作:石原燃、演出:本木香吏)。
終わって、思わず本木さんにハグしてしまいました。この作品をやる勇気、気概。受けて立った俳優・スタッフ陣。ただただ、拍手でした。
東京公演は6/20~23、王子小劇場にて。
男性の性被害を描いた物語。性暴力シーンはないけれど、それを語る台詞、怒鳴り合うシーンもあるので、きついと思う人もいるだろうし、観るのに覚悟はいります。それでも、私は観に行って良かったと思っています。これは、回復の物語。ラスト、少し、光が見えて来るのです。
男性の性被害を描いているけれども、これは女性にもあてはまる話。周囲の無理解や二次被害・二次加害がどうやって起きていくのかも描かれます。
ふと、そういえば、女性同士で痴漢被害の話をする時、過去の武勇伝的にと言うか、笑い話と言うか、なんかネタ的に語ってしまうことがあるけど、あれも、笑い話にするしか回収の方法が判らないからなんじゃないかな、と思った。本当は怖かった。怖かったからこその回避行動なのではないか、と。
色々、考えがグルグルしております。
あ、これは書いておきたい。音響さんが、とてもとても繊細な作業をされているな、と思いました。外の音と中の音の繊細な切り替えとか。きつい物語をやさしく包み込むようでした。