川島むーのお茶祭り日記

お茶祭り企画代表、川島むーの心に映り行くよしなし事を、あれこれと

昨日、川崎にて

 昨日は、友人に誘われて、「阿部一徳のちょっといい話してあげるvol.13 『異形の愛 GEEK LOVE』 」を観劇。

 バス停から会場までのアプローチが好きだなぁと思う。公演が夜でなくて良かったと、お散歩気分。どうぞごゆっくり、と言う会場の雰囲気に、しばしゆったり。

 と、そんなまったり気分を吹き飛ばす、濃密で切ない物語が語りだされる。分厚い一時間半に、しばし言葉無し。

 
 特異な一家、特殊な状況、とんでもないお話。それなのに、ぐっと心に迫るのは、結局そこに描かれている痛み、悲しみ、嫉妬、愛が、どこの家族どこのコミュニティにも存在し、誰もが抱えているものだから。彼らが悲劇に向かってしまったのは、その特異さ故に、振れ幅が大きすぎたから。語りだされる、その思いのリアリティが胸を打つのだ。

 と、そんなことを帰る道々考えていた。ずっと心にいろんなことが引っかかって、家に帰る。それは、きっと、大切なものを観たということ。

 帰り着いた家で、洗面所に立ち、鏡の中の自分を見て気が付いたこと。今の私だから、観続けられたのだ。肉体的にも精神的にも立ち直って来ているということか。
 10年前、アトピー悪化で顔相が崩れていた時だったら、逃げ出して泣いていたかもしれないな。ふと、そんなことを思う。だから、一緒に観た相方より、私のほうが異形ということに共振してしまったのかもしれないな。


 あれこれあれこれ考えながら、喋りながら、眠りにつく。幸い、心配したような怖い夢にうなされる事も無く、ひと安心。


 ・・・だって、以前、うなされている相方を心配して起こそうとしたら、思いっきり突き飛ばされたんだもの・・・