今日は、お昼からふらりと新宿へ。暑さでふらりとなりながら・・・。
目的地はプーク人形劇場。一度来てみたいと思っていた場所で、どんなことしはるんやろうと気になっていた公演があったのだ。
平常さんの『星の王子さま』人形劇。とは言え、人形と平さんの共演の一人芝居と言った方がいいのかな。
ネタバレに入る前に、劇場そのものの話。
30年を超える歴史を持つ、人形劇場。ビルの地下にある空間は、ほどよくコンパクト。でも、高さがあるので、居心地が良い。ベンチ椅子の座席も、趣がある。
いや、それより何より、かこさとしさんだ〜。ロビーから劇場に降りる階段の上に、だるまちゃんと天狗ちゃんの人形が居るよ〜。夏休みモードで楽しそうに過ごしてるよ〜。思わず立ち止まって口をあけて見てしまう。・・・後ろの人に迷惑ですってば・・・。
さて、お芝居は。
っと、ネタバレの可能性もあるので、観劇予定の方は、この辺で引き返してくださいませ。
まず、書いておきたいのが、R−15指定と銘打っていたこと。これ、別にエロいシーンがあると言うことではない。そう言う形で「大人向けですよ」としておかないと、人形劇と言うだけで、大人が足を運んでくれないから、と言うこと。いつか、そんな指定をしなくても良くなるようにしたい、とはアフタートークでのお話。
これは、判る。先入観って難しい。「宮沢賢治をやります」と言うと、やっぱり子供向けと思われることがある。あるいは、ものすごい賢治マニアと思われるか。・・・どっちかと言うと、彼をカリスマにしたくない、と言う立場なんだが・・・。
話がそれた。『星の王子さま』ね。テキストは原作に忠実に、と言う考え方は賛成。人形との共演は、なるほど、と思い楽しむ。頭としっぽだけの狐が、良いな。ちょっと、やられた。
飛行士(平さん自身)が王子さまを抱きしめるシーンは、愛おしくて胸に迫る。
うん、良かった。良かったのだが・・・う〜ん、これは、あれだ。自分ならどうするか、とつい考えてしまったのが楽しみきれなかった原因だな。
何と言うか、「思い出を語っている」と言う体裁だからか、ずっと、ある種の悲しみをたたえ続けていて、それが、ちょいとしんどかったのだ。ユーモラスな場面やセリフだってあるのに、それに「クスリ」と笑うことが出来ない。もしかして、それは要らないと思っているのだろうか?そんな気さえしてしまって。あと、飛行機のマイムが、これも好みの問題なんだけど、あの、いかにもマイムで触ってますと言うのが・・・。「ほんとに、何かを触ってるみたい」なマイムの技術を見せてくれなくても、いいのになぁ、と。
よ、要するにだ、「二枚目は三枚目の心で演じる」と言う上方の芸事のあり方が好きなのだな、私は、きっと。感動的なお話を、感動するように、奇麗に演じてしまうのは、ちょっと違うと思ってしまうのだ。
いや、だから、お芝居そのものは、良かったのよ、素敵だったのよ、うん。